みんなで買い物
「みんな、次はどこに行く?」
結が尋ねてきた。
「そろそろ12時だし、ご飯にしてもいいんじゃない?」
「いいねー!」
僕たちはフードコートに向かった。
フードコートはうどん、ラーメン、アイスなど何でもある。何を食っても自由だ。
「麗奈は何を食べるんだ?」
「私はいいかな…お金ないし…。」
「いいよ、奢るよ。この前麗奈の家でゲームをさせてくれたお礼だ。」
「そんなの悪いよ!私は食べなくていい。」
麗奈は俯きながら答える。
「大丈夫。僕は一緒にゲームができて楽しかったんだ!そのお礼がしたい。いいか?」
「そこまで言うなら…奢られるよ…。ありがとう!」
「いいよ、幼馴染の頼みだからな。麗奈、何が食べたい。」
「ラーメン大盛りチャーハンセットと、アイス食べたーい!」
「麗奈、図々しいぞ!もっと遠慮しろよ!」
なぜこうも、奢られる状況で図々しか言えるのだろうか。この前、家が貧乏とか言ってたな。
僕は許して奢ることにした。
「ズルズルズルズルー。うっ…美味しい!」
麗奈はラーメンを啜る。最初に美味しいと言うと、それからは黙々と食べ続けた。
「ふぅー、ごちそうさま。おいしかったよ!」
「それは良かった。奢ることができて良かったよ。」
そうすると、隣で黙って座っていた結が立ち上がった。
「私帰るね。ここにいると邪魔みたいだし。」
そう話すと、そそくさと帰ってしまった。
「あぁー、何で帰るんだよ。買いたい物まだあるって言ってたのに。」
「帰っちゃったね。私たち2人きりになるの初めてかも。」
麗奈は優しい顔で話す。
「そんなことないだろ。ゲームをやった時も、2人だったろ。」
「そうかもしれないね。」
麗奈はわかったようで、分かってないような返事をした。
「麗奈。服を買いに来たんじゃないのか。買わなくていいのか。」
「大丈夫。今日はもう帰ろうよ。」
「……」
僕は黙って一緒に帰ることにした。
僕は一緒に麗奈の家まで帰る。
「昔のこと、覚えてる?私が迷子になって家まで送ってくれたこと。」
「そんなの、忘れたよ。そんなことあったっけ?」
昔のことは忘れてしまった。麗奈をいつも助けてばかりで。助けたことがたくさんありすぎて、忘れてしまった。
「えぇーわすれたのー!私はそれに救われたんだよ。」
「何を?」
「心を。私がここまで頑張れたのは圭くんのおかげ。辛い時も、圭くんのことを思い出して、頑張った。」
初耳だった。麗奈がここまで僕を尊敬していたなんて。僕は自分を前より律しようと思った。麗奈の尊敬の対象として居続けるために。
「僕頑張るよ。麗奈に負けないように。」
「私も、頑張る!」
僕はこの時、麗奈との友情が少し、深まった気がした。




