部活動
「よっ!圭!」
僕の肩を勢いよく叩く。
「何だよ。龍介。」
後ろから、肩を叩いたのは村雨龍介。中学からの親友だ。龍介はイケメンで中学ではめっちゃモテていた。その上優しかったので、怨むにも怨めない。
「いやー、圭が女の子と話せるようになってたことに感心してたんだよ。」
「余計なお世話だ。」
たまに鼻につくんだよな。龍介。
「まぁ、また会えてよかったよ。同じ高校でうれしい。」
「そうか。」
こうやってなんだかんだうまくいっている仲だ。
今日は部活動を体験して決める日。僕は体験をせず、部活に入らないつもりだった。
「圭くん!一緒に体験しよう!」
そうやって僕に体験をさそったのは、麗奈だ。
「いや、僕は部活やらないから…」
「体験するよね!」
麗奈は脅迫のように僕に問い詰めてきた。
「…はい、わかりました…。」
僕はしょうがなく許可をする。僕に決定権はないのか?そうやって不思議に思っていると、
「俺も一緒に、体験してもいいかな。」
龍介は隣で話を聞いていたみたいで、話に入ってきた。
「いいよー!人が多い方が楽しいからね!」
麗奈は軽々しく答える。僕はまだ、許可をしていないのだけれど。
「まずは陸上行くわよ。」
僕たちはグランドに向かった。グランドは校舎の隣にあり、とても広かった。
「俺たち、部活体験に来たんだけど。何をすればいいんですか。」
「なぜ、龍介が仕切る!」
「別によくね。」
龍介はさわやかに言う。
「さっきから視線を感じると思ってたけど。やっぱり、龍介を見てるよな。」
「いやー…。そうかもね。」
爽やかイケメンは困ったものだ。目立って目立ってしょうがない。周りの女子たちがキャッキャキャッキャと騒いでいる。
「ちょっと、何たいくつな話をしてるのよ!早く体験をするわよ!」
麗奈は、たいくつそうに腕を組んでいた。
「そうだな。」
そうして始まった体験。陸上の顧問である井上が仕切る。
「体験の人は準備運動の後に、100メートルを走ってもらう。」
「私、短距離も得意だからいけるわよ!」
そう言うと麗奈は準備運動をさっさとして、スタートラインに立った。
「セット……スタート!」
スタートは井上の合図で始まった。麗奈は始まると、風を切るように走った。
結果は11秒02。あとちょっとで10秒台、この化け物はどうなっているんだ。
「麗奈、短距離もいけるんだな。」
「当たり前でしょ!」
麗奈は誇り気に言う。
麗奈は自分の体験が終わると、飽きた様子で帰る準備をし始めた。
「もう、体験する必要はないかな。」
「なんで?」
「どの部活もやっても同じ結果。簡単過ぎてつまらないわ。だから…、私たちだけの部活を作っちゃおう!」
「は!?」
「ただの部活をするのは面白くないから、帰宅部なんてどうだろう!」
「それだと、ただの部活をしてない人になるな。」
龍介は指摘する。
「いや、そうじゃなくて…。私がやりたいのは、帰るまでの5キロを部活にすることよ!」
「いやっ。ん?どう言うことだ?」
麗奈の帰りに付き添ったのが最初で、最終的に部活になるとは思ってなかった。
僕は今更ながら、麗奈はスペックが高いだけでなく頭がおかしことに気づいてしまった。




