転校生
僕は今日早起きをした。普段はギリギリまで寝て、ギリギリで学校に行く。今日はこの日常とは違う。
麗奈と一緒に登校することになったのだ。
僕は家を出て、麗奈の家に向かう。僕の家から3キロの道のり。遠いが、約束してしまったので行くしかない。
朝特有の静けさはいつも好きだ。すれ違う人は少なく、たまに聞こえる鳥の囀りが耳に心地よい。
朝の散歩を終えて麗奈の家に着く。家の前にはすでに麗奈が待っていた。
「麗奈…おはよう。」
「おはようー!」
麗奈は大きな声で挨拶をする。
「今日も元気だな。」
「もちろん。今日も頑張っていくよ!」
僕たちは学校までの道のりを歩き出す。
「今日は一限目から体育みたいだぞ。」
「それはラッキーだね。」
「僕にとってはアンラッキーだけどな。ちなみにバスケするみたいだよ。バスケはできるのか?」
「もちろん!頑張れば全国大会は行けるよ。」
スケールが大きすぎてよくわからん。でも、よくよく考えたら自分だけ凄くても全国行けないよな。
そう他愛のない会話をしていると学校に着いた。
僕は麗奈と一緒にクラスへ向かう。クラスに近づくごとに騒がしくなっていくように感じた。
「麗奈、なんか騒がしくないか。」
「言われてみればそんな気がしなくもない気がするけど。」
クラスに入ると気のせいではないことがわかる。
「何かあったのかな?」
「この学校に転校生が来るらしいぞ。」
聞いてもないのに答えたのは龍介だ。
「今日は4月14日。この時期に転校生…珍しいな。」
「まあ、家の事情か、なんかなんだろ。」
「おーい、座れよー。」
井上の言葉でみんなは座った。
「今日は転校生を紹介する。入ってきてくれ。」
井上は教室の外にいる転校生に手招きをした。
転校生はクラスにゆっくり入ってくる。入ってきたのは女子だった。
「自己紹介をしてもらってもいいかな?」
「あっ、はい。私は広島から来ました小鳥遊…南と言います。」
南は黒板に向かってチョークで名前を書いた。
「趣味は読書です。…よろしくお願いします。」
「えーっと、小鳥遊の席は遠藤の隣な。窓側の一番角にいるのが遠藤だ。」
「わっ…わかりました。」
南はゆっくりと僕の隣の席に向かう。
「よろしく。南さん。」
南が座ると、早速麗奈が挨拶をした。
「はい、よろしくお願いします。……えーっと。」
「あっ、わたしの名前は上田麗奈。」
「麗奈さん。よろしくお願いします。」
南は静かな雰囲気で、丁寧な口調で話していた。




