第三夜
またも夢の幕間のひとときです。随分と夢に関する本を買い漁りましたね。久々に外出したのは、けっこうなことですが。食料も買い込みましたし。ただ本を読むのは、だいぶ刺激になりますが、夢の材料としては物足りないところです。日々の出来事の記憶と共に、貯蔵されたあらゆる過去を取り混ぜてエピソードを作る立場としては、貴方に豊富な経験をして欲しいですね。テレビやネット動画も悪くはありませんが、やはり実体験ですよ。リアルです。この刺激こそ、五感や肉体に記憶が染み込む。
貴方が集める日々の体験の断片は、夢の源なのです。それをここで再構成して自由奔放に楽しむ。創り出してきた幾多の夢は、この身体の人生そのものです。貴方の経験は、夢を見るのに必要なのです。夢の材料を集めるために貴方は存在していると云っても過言ではない。だからどうか、どんどん外出してください。職も探してください。より多くの経験が素晴らしい夢をもたらすのですから。
まあその夢のほとんどを貴方は、覚えていないんですけどね。貴方に楽しんでもらおうというわけではないのです。もし貴方が夢を全部覚えていたら、ますます眠ることに没頭するでしょう。貴方はとても疲れやすくて、ともすれば昼間でも眠ってしまうくらいなのですから。
……小言めいたものは、このぐらいにして夢をどうぞ。南のとある小さな島の砂浜で、波の音を聴きながら、うたた寝するというのはどうでしょう。貴方も少しは、やすらげますよ。




