表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者に転生したけど理不尽だ  作者: 甘味好き
邪神へ続く道
PR
70/71

幽霊船・オクタビウス ㊥




ギィィ………


と、硬く錆びた部屋を開ける音が響く


「………えっと、、あ、机……」


不自然に揺れるハンモックと、ピューとすきま風の音が響き、部屋の物をガタガタと揺らす。


月明かりが差し込み、少しだけ明るく感じる部屋。


その背後では不気味に光る二つの光がシゲをジッと見つめる…。


「やっぱ下から見たら満月って小さいんだなぁ」


しかし、シゲの目線は……窓の外に向いていた。


『そんな事言ってる場合か』


「へいへい……」


すっと視線を船内へと戻す。


窓の外にうつる謎の不気味な影は、、見逃された…………


「机の中かな」


机の引き出しには何もない。


いや、“ポーションをゲットしました”とかいう不必要なテロップはあるけど!!


そして目に止まる……


「……………宝箱」


『ははーん、それだな』


ファフニールははやく開けろと急かす。


「なんかこう、人の部屋の宝箱はまだ抵抗が…」


『律儀な奴だな。過去見たことない奴だ』


と、サンダーバードは言うけど…。

そりゃそうだよ。俺の世界でやったら犯罪なんだぞ……。


パカッと開いた宝箱の中から、【メモ3】を手に入れましたの文字。


「“ついに隣の3号室の仲間が氷になってしまった。もう少ししたら()()()()()()()だろう。ああ、おしまいだ…。次は俺だ……。祈祷の部屋で祈りを捧げよう…”」


『火の魔法が使えたら良かっただろうに』


ファフニールがお気の毒に、と言葉を発した。

そっか、薪がなくなっても炎魔法が使えたら多少は彼らも……。


「そう思うと…、ストーリーだけどさ、本当お気の毒だよね。本当のオクタビウスも……」


ざっと見渡して、特段気になる事はもうない。


再び部屋を出て隣の部屋へと向かうシゲの背後で黒い影が揺れる


『…………シャーーー!!』


背後で黒い影が再びシゲへと飛びかかるも……


『喧しいぞファフニール!!』


『あーん!?』


バチっと雷と炎が背後でぶつかって辺りを明るく照らす。


その間にもシゲは隣の部屋へと入り、せっせとメモ探し。


「もう、、肩とか背中で喧嘩しないでよねー」


5つ目の部屋のメモを手に出てきたシゲは「はぁ」と溜め息を一つ吐き出す。


「メモ4。航海を後悔、しまった、そんな事言ってる場合じゃない。悪い予想しか思い付かない。そんな事はもうよそう。ああ!やめられない!マナの女神よ!助けてくれ!」


『…………』


『…………』


「…………サムッ、、」


俺も誰か助けてくれないかな?

マナの女神様に頼んだら良いのか??

勇者とか言う割には結構不遇だと思うんだけど??


「急に凍慈みたいなふざけた奴出てくるじゃん……」


メモを読み直しながら6つ目の部屋の扉に手をかけようとして、、そしてシゲの動きが止まった。



「……………薪が、、なくなっても?」



暖かな部屋に待たせた仲間(みんな)の姿がフラッシュバックしたかのように、一気に脳裏を揺らす



「みんな、、どうしてあんなに寒がってたんだ……?」



だって、、リアはちゃんと薪を入れて………



「………部屋に戻らないと」



無言で来た道を振り返った瞬間、通路を塞ぐようにサンダーバードがドンとたたずむ。


『……全ての部屋を探してからでも遅くはあるまい、勇者よ』


「で、でも!」


『……俺様が先に言っただろう。セピアには炎の魔法がある。まぁ大丈夫さ』


たぶんな、と呟いた小さな声は……少しだけ自信はなさそうだった。


ふうっと息を一気に吐き出し、再び大きく吸い込む。



「………残り、7部屋、、スピード上げて探そう!!」



ガチャっと6つ目の部屋の扉を開いた。




『……人はマメだな』



廊下の松明に火を灯しながら集めた7枚のメモをみているシゲの手元を覗き込む神獣2体。

重い上にむさ苦しい……。いや、サンダーバードはふわふわだけど……。


「メモ1・やはり北への道は我々には早かったのか。光が消えていく。しかし、それより……この船に何かが乗り込んだ」



不気味に物音がなくなった廊下を足早に移動して1階へ。



「メモ2・不思議だ。毎日1階の松明が決まって消える。祈祷の部屋、マナの部屋、死霊の部屋、、そして船長の部屋」



二階の廊下の松明は全て付け、最初とはうってかわったように廊下が明るくなる。


そしてやはり、部屋に名前はない。


「………二階でヒントを取って、、一階が謎解きみたいな感じか…?」



階段を降りる。

一階の廊下はもう真っ暗だ。


階段付近の松明を入れていたであろう壁掛けの器具に、二階で拾った松明を入れて灯をともす。


「やっぱり。これは、、用具の部屋」


どんどん松明を入れては灯を灯して……


「メモ3・ついに隣の3号室の仲間が氷になってしまった。もう少ししたら薪も底を尽きるだろう。ああ、おしまいだ…。次は俺だ……。祈祷の部屋で祈りを捧げよう…」



その言葉は、、少しだけ震えた………



「祈祷の……部屋?」



泊まっていた部屋のプレートに書かれている



【祈祷の部屋】の文字



ドアノブにかける手は、、冷えきっていた






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ