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勇者に転生したけど理不尽だ  作者: 甘味好き
邪神へ続く道
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幽霊船・オクタビウス ㊦





「(大丈夫、、だって部屋には暖炉があって……)」



━━脳裏を巡るのは、、異様に寒がるみんなの姿━━



急いで扉を開ける


出る時は暖炉の火で煌々としていた部屋は……真っ暗だ



「みんな!?どこ!?」



部屋のど真ん中にあったベッドは見当たらない。

マナの女神像が置かれていて、とても客室にはみえない。


机と長椅子がいくつか置かれており、部屋の奥には暖炉があるが、燃えてる様子はない。


「………!!!」


リアが入れていた薪は………、、氷の棒となって暖炉を埋めていた



「みんな!!」



『あそこだ』



部屋の隅、、人影が見える。


近寄るファフニールの炎が、毛布にくるまって、真っ青になって震えている仲間の姿を照らす。


「今すぐ部屋を暖めないと……」


暗がりでもわかる程、吐息が白くキラキラと舞う。


『……暖炉の氷は溶かしてやれるが、全体を暖めるには薪がないとどうにもならんぞ』


「………薪」


持っているのは廊下用の松明で、、とてもではないが部屋に使うには…。


「……木造船、、」


剣を引き抜いて机と椅子を攻撃してみる、、が…。


「弾かれる…ダメか…。戦ってる時も物が壊れないの不思議には思ってたけど……」


これがゲームのイベントならば、何かしら方法があるのだろうが…。


「困ったな…。そんなの全然わからな……、、火、雷…。あっ!そうだ!」


凍慈がネックレスにしているクリスタルを手に。


「ドリアード!!木を暖炉に出して!!」


ふわっと姿を現したドリアードが小さくうなずいて、暖房に木や丸太を詰め込む。

ファフニールは既にそこへ火を吹き………。




「………みんな無事で良かった」


小一時間もすれば、全員の顔色は元に戻っていて、、部屋も暖かくなった。


「助かった、、ありがとう」


皆からお礼を言われるとなんだか照れ臭い。


「………次からは皆で行動しよう。ヒントも手に入れたしさ」


そう言って手に入れたメモを広げて読んでいく。


「メモ4・航海を後悔、しまった、そんな事言ってる場合じゃない。悪い予想しか思い付かない。そんな事はもうよそう。ああ!やめられない!マナの女神よ!助けてくれ!」



わかってる。皆そんな顔しないでくれ……。



「また寒くなって来た……」


うん、気持ちはめちゃくちゃわかる。


「センスを疑うよ」


俺が作ったんじゃないからな?

出来ればこのメモは読み上げたくなかったんだぞ。


「これだけ、、ヒントじゃないんだよな……」


他のメモにも目を通していく。


「メモ5・夜になると廊下で何かが聞こえる。不気味だ。松明の灯りを付けたままだと何もない。灯りが関わっているのだろうか?」


あとで廊下の灯りは全て灯すとして…。


「メモ6・燃料維持で不要な時は消せと船長は言う…。だから消さなきゃならないが…、消す順番があるんだ。メモしないと順番を忘れてしまう。

祈祷の部屋、マナの部屋、死霊の部屋、船長の部屋、、そしてまた……死霊の部屋」



━━━━━ギャアァァァァああ━━━━



再び廊下に響く不気味な音に全員がビクッと肩を震わせる。



「メモ7・俺はみた、誰も信じてくれないが!!間違いない、都市伝説で噂になっていた、、奴はコールドゴーストだ!!もうみんな氷漬けにされるんだ!!」


たぶん、モンスターの名前だろうけど……。


「コールドゴースト、、知ってる?…」


凍慈は首を軽く横に振る。


「まぁ、ボスやろな」


「兎に角、廊下の灯をこの順に消……あれ、船長の部屋あったっけ…」


煌々と照らされる廊下を歩く。

廊下のその奥にもう一部屋がある。


「行けない……」


手前に鍵のついた柵があって進めない。


柵を押してみるが【船長の部屋の鍵が必要です】のテロップが。


「………鍵とかみなかったけどなぁ」


メモを読む凍慈が3枚目と4枚目のメモを手渡してきた。


「ほな、これやろな」


「………え?この寒い親父ギャグ?」


「そら、ヒントやから。この手のゲームにはな、不要なヒントはないもんや」


そうしてシゲとアリアが顔を見合せ同時に、「もしかして」と言う。


凍慈がにやっと笑う。


「祈祷の部屋で祈りを捧げよう」


「………マナの女神が助けてくれる?」


「祈祷の部屋のマナの女神、、つまりあのマナの女神像や」


慌てて祈祷の部屋のマナの女神像へ。


左胸の前にある手の中に、さっきは気が付かなかったけれど鍵が握られていて……。



「もっとわかりやすく、マナの女神に鍵を預けよう!とか書いてよ、気が利かないやつ」


リアのやつ、無茶苦茶言う……。

ぶつくさ文句を言ってるけれど、元気になって良かった。



「船長の部屋も調べてみるか…」


宝箱の中から出た【航海日記】


「これはヒントなのかな」


「………ホラー要素やないとええけどな」




━━船長の日記━━


○月○日

アイスランドへの航路を切り開いて見せる

そうすれば、、今後の勇者達は楽になるだろう

責任重大だ…



○月△日

こんな事になるなんて…

炎の加護を受けた船だというのに、、ダメなのか…



○月✕日

航海士が旅立った

もはやどうにもならない



○月□日

今日もまた一人、マナの木へと旅立った

私の最後ももう間近だろう

今日も祈祷の部屋とマナの部屋で祈りを捧げる

彼らが辿り着けるように…


 


ところで


 


死霊の部屋なんてあっただろうか?




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