凍結船・オクタビウス 後編
「………が、ガルーダを助けに行かないと」
暖炉の前にガタブル状態の勇者一向に目を向ける。
あ、なんか…ダメそう……。
「音もなく消えたのは、、あのガルーダだよ!?」
どこのガルーダさんでも仲間は助けに行こう
「これ、このシリーズ一番嫌われてるイベントや!俺はホラーゲームしたいんやない!ファンタジーゲームしたいんや!」
ファンタジーの世界に叩き込まれるのも十分ホラーなんだが?
「ファフニール様は寒いところがダメでな。もう少し暖まって行こう」
ファフニールは寒いところダメかも知れないけど、セピアは大丈夫だろ?え?違うの?
「……せ、聖なる力で、、もう少し力をためてから…」
丸1日休んだからMPはMAXだよな?
これ以上なにをためるんだ?ムダな時間?
「もう、わかったよ、俺一人で見てくるから、動けるようになったら来てよ!」
【シゲが単独行動モードに入ります】のテロップ。
って事は最初から俺一人用だったとか?
「はぁ、お化けとかいるわけないのに、みんな面白いな」
昨日までは光に照らされていた賑やかで明るい廊下は…今は仄暗く、小窓から差し込む僅かな明かり……。
「暗いところ歩いてたらあの洞窟思い出すな。またぶつかったりしないよな?」
底冷えする廊下、踏み出す足元はギィギィと不気味な軋む音……
「本当に寒い。アイスランドが近いからか?」
全く気にも止めずにスタスタと歩くシゲ。
「…………えっと、、何かのギミック?あるなら困るな。こんな時の凍慈なのに、ビビっちゃって。はぁ」
このフロアの部屋は8部屋。
「気が引けるけど仕方ない……」
一部屋一部屋確認していく。
「ここも何もなしっと。アイテムはあったけど……」
最後に……入った部屋の扉……その背後
すっと半開きの扉から何かが顔を覗かせ…不気味に目が光る
━━━━━ぎゃァァァァ!!━━━━━
耳をつんざくような音と同時、背後からシゲに何かが襲いかかる
「あ!宝箱」
しゃがんだシゲの上空をすっと通りすぎ、壁から外へと抜けていく。
「ん?」
頭上に微かに感じた風。
「気のせか。しっかし上の階の人はさっきからうるさいな~」
再び黒い影がシゲの背後に音もなく現れる
シゲの肩を掴もうとした瞬間、、
「お、ランタン見っけ。デザイン凝ってるな~」
カッと光に照らされた影はすっと消える
『✕✕✕!』
今度は足元から真っ白い精気のない手がにゅっとあらわれ……
シゲの足首を、、、
「梯子だ。上に行けるのか」
空振りした。
『………』
カッと大きな口を開けて飛びかかるも……
「この絵画も歴史感あって良いな~」
のんきにランタンを掲げるシゲと、光に照らされるのを嫌がるように影はすっと柱の後ろへ
「よし、この辺りは安全だったってみんなに教えに戻るか」
シゲの「一人でもやれた!」という謎の自信とにこやかな表情
とは裏腹に、、背後の影は、、
歯軋りをしていた……
「この階には何もなかったし、、なんなら誰も居なかったよ」
安心させるために自信満々に放った一言は…
「誰も、、居なかった?」
「あの人たち、、どこに消えたの??」
ドン引きしているアリア達…
どうやら、逆効果になったらしい。
「……あれ、変だな」
仲間がパーティーに加入する気配は微塵もない
仕方ない。
この上の階も一人で見に行くかぁと再びランタンを手に取った。




