空の騎士とサンダーバード ㊦
「準備が出来しだい、天空の頂へ」
第二クラスチェンジ用の装備はそこまでの変化はなく。
「この後の街でもええかもな。俺は短刀二刀使いになったから、もう一本だけ買っとくとして…」
「ん?俺も装備項目1つ増えた?」
「……あー、あれか。盾追加されたんちゃう?中盾とかやと思うわ」
「……中、、盾?」
****勇者シゲ****
あ、久しぶり?
****盾が装備できるようになりました****
いや、今知ったよ、そういうのはクラスチェンジ時に…
****盾には、小盾、中盾、大盾、巨大盾の4種類あります****
……うん。そんなヤツだった。
****勇者は小盾と中盾の、機動力のある盾が装備可能です。また、盾ではなく小剣にする事も可能で、装備しておけば戦闘中に切り替えて戦う事が可能です。ボタンはR3です****
「へー、結構戦術広がりそうだな」
****スタイルや戦闘に合わせて自由に切り替えて下さいね****
再び武器屋で自分の武器防具を調べてみる。
「小剣もいけるってさ」
売られていた小盾と中盾、小剣を見ながらシゲは完全フリーズ。
いや、いきなり「小盾か中盾か小剣」とか選択肢3つも増やさないで欲しいんだが??
「……小剣?それは知らんな」
え?知らない?それこそ困るんだが??
「小盾はカウンターというか、“パリィ”やる玄人向け操作プレイヤー用の盾やからオススメはせんかな。シゲやと中盾で構えての方がやりやすいんちゃうか?」
“パリィ”ってなんだっっ!?
「って、あれ?盾も小剣も2種類くらいあるけど、どっちが良さげなんだ…?」
一つは【はじめての小盾・中盾+50】【はじめての小剣+55】という、、なんとも安易な名前…。
もう一つは、“交易品”と書かれた、【ワンダの小盾・中盾+35】【ワンダの小剣+40】という名前だ。
「……交易?ワンダ?」
****勇者シゲ****
最近出てこなかったからって、いきなり連発するな
****交易品が解放されました****
だから、今見て気が付いたよ。そういうのは気がつく前にだな…
****この国ではない異国の品や掘り出し物などがたまに並びます****
まぁ交易品だもんな…
****中には、その時にしか手に入らないものなどもありますので、街に着いたらこまめにチェックして下さいね****
「相変わらず一方的っっ」
すっと隣に立つガルーダが、ワンダの交易品を手に取る。
「……空の頂へと向かうので、こちらが良いかと」
「そうなの?」
「土の加護を感じます」
盾には雷耐性+15。小剣には、土属性付与の文字が。
「……あー、空の頂は雷属性モンスターやな」
「弱点属性か。よし、この二つ、、、高い!!!」
「まぁ、交易品やからな。輸送コストが上乗せされるんや。知らんけど」
「だから、なんでそんな時だけリアル設定なんだよ!!」
左腕に一旦、小剣を装備する。
クラスチェンジの時に右側の腰にも何か追加されていたけど…。
盾と小剣を下げる感じになって、、動きにくいというか…やや変な違和感。
「おっ、勇者っぽい」
凍慈は笑って両腰にダガーをしまう。
もちろん、凍慈も買ったのは交易品の【ワンダのダガー】だ。
「二つ買わなくて良かったの?ワンダの弓とか……」
「空の頂だけしか効果ないからな。まぁ、あとはちょっと懸念が一つ」
そんなもんなんだなーと、懸念は気にはなったが、空の頂への入り口で待つガルーダの元へ。
「では、参りましょうか」
険しい山、、いや、崖のような場所に作られた道を駆け上がる。
「……来たぞ!食い止めろ!!」
待ち構える皇国兵が襲って来て、バトルフィールドが。
「……あれ?雷モンスターは?」
「やっぱりか」
「…………懸念って、これ?」
まぁな、と呟く。
そりゃ、頂の宝玉を狙ってる皇国軍がいないわけないよな……
「シゲは、小剣と中盾の入れ替えとか慣れときや」
既にガルーダがシゲの前に出ていて、皇国兵の攻撃を盾で軽々と弾いて、ハルバードで反撃している。
「…………大盾とハルバード、、筋力どうなってるんだ…」
合間を抜けてシゲに襲いかかる皇国兵。
よし、盾に切り替えて防いで……
「切り替え、、って、どうやるんだ!?」
たしか、、ボタンはR3だったな
って、何回も言ってるけどっ!!ボタンはないからなっっ!!!
「中盾!」
小剣を腰に。そのまま中盾を腕にセットして正面へ。
「…………結構、盾良い感じ?」
ガキィンと音を立てて弾き、ダメージはない。
「小剣!」
再び切り替えて凪払いを。
【小剣の効果により範囲拡大】の文字と同時
「大旋回」
という声に合わせてガルーダのハルバードがぐるぐると回転し、巨大な竜巻に。
「……流石、近衛騎士やな」
「すごい…」
皇国兵が一気に四方に吹き飛び、、戦闘が終了した。
「さて。進みましょう」
前に誰かが立って盾になる安心感を、、はじめて感じた……。
「……今まで理不尽だと思ってたけど、、みんなこんな気持ちだったのかな」
少しだけ、前に立ち続けた事が、、理不尽ではなかったのかな、なんて思えた瞬間だった。




