城塞都市へ
「ドリアードさまぁ~!!」
ふわっと降りてきたドリアードに抱き付くニャウィー。
ドリアードはそのままニャウィーの頭を撫でて、にこっと微笑む。
「さ、城塞都市はこの先ニャ!」
光の先を抜ける
左右先が見えない程の巨大な門が眼前にドンと現れる。
しかし…
「壁が……」
見上げる高さの壁には大穴が空いており、甲冑を身に纏う猫亜人たちが沢山外に出ていた。
「そんな、、遅かった……?」
ニャウィーの顔色が真っ青へと変わる。
「………ニャウィー?」
同じく甲冑を身に纏う、女性の猫亜人が近寄って来た。
「貴女、どうしてここに?」
「マウィー!!」
【悩み大きジンの騎士・マウィー】のテロップが。
「……エントの方角から皇国軍が来たわ。何か知ってる?」
「エントは、、ダメだったニャ…」
その言葉に、、そうなのね。と呟き
「勇者の案内、ご苦労」
くるっとシゲ達へ向き直り、すっと立て膝をついて頭を垂れる。
「ジンの騎士、マウィーです。以後お見知りおきを」
「えっと、はい」
「……妹が粗相をしてないと良いのだけど」
………今、なんと?
妹?え?妹……??
「マウィー殿、お久しぶりです」
「セピア殿。騎士選定式以来ですね」
いや、嘘嘘嘘。
このお姉さんみて育って、こうはならんだろ!?
「勇者さま!あ、あのね…」
引き継ぎを終わらせたニャウィーがシゲの元へと走りよる。
「本当は、、儀式的にクリスタルを持って確認しなきゃなんだけど」
「あ、そうなんだ。はい」
すっと差し出されたクリスタルに手が延びてこない。
「違うの、、私、持てないニャ」
胸元に握りしめられた手は、少しだけ震えている。
「選ばれないって、わかってるニャ。だけど、、だけどもし…」
そこで、ようやくシゲは…ニャウィーの気持ちを察した。
だってもう視線が合わないんだもん。
ずっと後ろを…エントの方を気にしてるんだもんな。
「ニャウィー、貴女なにを」
「あのね、マウィー。私、本当に……ついて行きたい気持ちはあるの。例え、選ばれなくたって!」
もし、光ったら……。
そう呟いたニャウィーの手のひらに道標の花をのせる。
「エント、速く戻ってあげなよ」
シゲのその一言に…ニャウィーの瞳が大きく見開かれた。
「あ、あのね、クリスタルに選ばれなくても、、持つ事で騎士の」
「ニャウィー、そんな事気にすんな。君は君がやりたいようにやれば良い、だろ?」
大粒の涙が一つこぼれた。
「ありがとう、ニャウィーが道中で沢山助けてくれたこと…忘れないよ」
「私も、、勇者シゲの事、絶対に忘れないニャ!」
そう言ったニャウィーは、再び樹海へと走りだしていた。
「……貴女は、騎士になりきれなかったのね」
マウィーは残念そうにニャウィーの後ろ姿を見つめる。
それでも一瞬だけ表情が緩む。
「選んだ道を、頑張りなさい」と小さくエールを送り、、再び騎士の顔へと戻った。
「………エントはどうなったのですか?」
「わからない…。一人で行かせて良かったのかも……」
「皇国兵はもうエントにはいません。城塞都市は突破され、天空・ウィングバードへ攻め行ってしまった」
ここからは私が引き継ぐので、と、シゲ達はマウィーに連れられるように城塞都市へと足を踏み入れた。




