樹海を突破せよ!!㊤
樹海へ足を一本踏み入れれば、その異変はすぐにわかった。
「焦げ臭い…」
鼻をつく、、焼けた臭い。
遠くからパチパチと音が聞こえ、少しの息苦しさと、熱を帯びた風が吹く。
「うそ、うそうそ」
ニャウィーが慌てて辺りを見回す。
「ない、、エントへの道が…ない!?」
「…え!?」
「ドリアード様も今朝からいないし、、どうなってるにゃー!」
直後
目の前の繁みからガサガサっと音がなり、全員が身構える。
「待って、大丈夫」
繁みから倒れこむように現れた、真っ白い衣装を煤だらけにした人物。
「国王様!大神官様!」
「ああ、ニャウィー様、こちらに…。お逃げ下さい!」
「…エントは、、もうだめだ」
その言葉に、ニャウィーがその場にへなへなと座り込む。
「…どうして皇国が?」
「わからん。我々が皇国を襲撃しようとしている、と、」
「平和を愛する緑の民が、皇国を襲撃するわけないニャ!!」
国王はニャウィーにありがとうと言うと、白い光る花を渡した。
「ニャウィー様。このまま城塞都市へお逃げ下さい。そして危険を知らせて下さい」
「樹海はもはや、我々の手を離れた。その花が光る方へと進むと良い。城塞都市へと出れるだろう」
そして、ニャウィーに手のひらサイズのペリドットを渡す。
「150年前にペリドットは一度破壊されました。今度は消滅してしまいます。どうか、お守り下さい」
「勇者一行よ」
国王と呼ばれた人物がシゲたちへと向き直る。
「このような形になって申し訳ない。ニャウィー殿とペリドットをよろしく頼む」
こくんと頷く。
ニャウィーはペリドットを胸に抱き締め、すっと立ち上がった。
「ドリアードの騎士、ニャウィー。必ず任務を全う致します」
樹海を進む足は自然と速くなる。
「そういや、年少組とかってなに?」
「ああ、それか。宝玉の騎士には呼ばれ方があってね。10代が年少組。20代が年中組。30代が年長組」
宝玉の騎士の引退は36歳くらいまでらしく、基本的には年中組が多くなるとか。
「今期は年少組、多いけどね」
「私入れて5人だニャ!と、言ってもジェダ様しかお目にかかった事はないけど……」
「騎士同士の交流とかないんだね?」
「任命式に宝玉の騎士の筆頭が参加するくらいかな?あとは極たまに開かれる騎士会議の場くらいか」
なるほど、そんな雑談をしながら進んだ先にいきなり3方向の曲がり道が…。
「この花を」
すっとニャウィーが花を掲げると、正面の花がキラキラと光る。
「正しい道側の花が光るんだにゃ」
「凄い仕掛けだね」
「本当は夜道だと見えやすいし、、綺麗なんだけどにゃ」
突如。
再びガサガサと近くの草むらが揺れる。
「敵だ!!」
飛び出して来たのは…
「……ぎゃぁぁぁーーー!!虫っっ、、デっカっっ!!?」
緑色の体に、、うねうねとした…そう。
見た目はかくばったイモムシのような……。
しかも150cm以上はある。
「クロウラーか」
クロウラー?いや、何でも良いけど虫は本当苦手なんだよっっ
「……え?シゲもしかして虫アカン感じか?」
「無理っ!!てか誰だってあのサイズの虫は無理だろっ!??」
「…………あー、、ほな樹海はヤバいかもなぁ」
「何!?どういう事!??」
下がってて。その言葉と同時、セピアが躍り出る。
セピアの炎を纏った剣がゆらっと光り、横なぎすれば黄色表示で一撃。
「セピアは炎属性やからな。木属性とは相性バッチリや」
しかし、少し進んだ先で再びシゲの大絶叫が木霊する。
「……あー、、あれは」
「名前なんてなんだって良いよ!!あんなデカイ蜂がいるなんて聞いてないっっ!!!」
「キラービーの群れだニャ!」
何その殺傷力の高い名前っっ!!
「任せるにゃ!セピたん!!」
「だから……、もうっ」
一番後方で踊るニャウィー。と同時。
セピアは炎魔法を唱える。
「合体魔法、火炎の風」
セピアのファイラをニャウィーが鉄扇で扇ぎ、巨大な炎の風となってキラービーの群れを一掃する。
「……すご、、合体魔法?」
「踊り子の本領発揮だニャ!」
━━勇者シゲ━━
なんか久しぶりだな…
━━条件を満たすと合体魔法、合体技が発生します━━
もっとはやく知りたかった気もしないでもないぞ?
で?その条件ってどうやってわかるんだ??
━━どんな合体魔法・合体技があるか、色々と組み合わせて探してみて下さいね!━━
え?終わり?終わり……!?
「理不尽っっ!!」
「…なんや急に」
「合体魔法とか合体技とか、、今まで発生しなかったよな」
「あー、踊り子経由多いからやろな。サポのバフと合体系が発生しやすいから、踊り子はパーティーに大概名前連ねる」
「そんなもんなんだな」
「あとは、確かクラスチェンジ後とか、正規属性やないとあかん、、とかやったっけな…」
色々と条件多いんだなーと、光る花のしめす道を曲がった先。
「うわー、、リアルで見るとキモいな~」
そういった凍慈の視線の先……
「??」
赤、紫、青の、、色とりどり………色とりどり?
兎に角、キノコのかさが目に入る。
「マイコニド、マタンゴか……」
凍慈がそういった瞬間、ポンッと音を立ててキノコが地面から飛び出す。
「……キノコも襲って来るのかよっっ!??」
樹海もやっぱり理不尽だ……。




