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勇者に転生したけど理不尽だ  作者: 甘味好き
いざ、神獣巡りの旅へ!
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いざ、樹海へ





「……」


トリトルは無言のまま引き上げていく。

まだだー!とか言うのかと思ったけど、意外とあっさり。


「あれも、今回のは良い薬になったら良いが」


「王妃様が亡くなられてから…、オルヘ以外に心を開かなくなられたんです。だから、勇者様にあれだけ突っ掛かって行くのは少し意外でした」


「そうなんだ…」


トリトルの背中は、今は年相応の背中に見えた。


「……シゲ。君の成長にトリトルは焦ってるのかもね」


セピアの言葉に少しだけ首をかしげる。

俺の成長?どういう?


「勇者はやはり特別なんだなと、私は仲間に入ってから思ったよ」


「私も、、びっくりしてる」


「???」


「我々騎士は、、任命されてからはじめて闘いを経験する」


その言葉に、そうか、皆も最初はレベル1からなんだよな、と。


セピアが加入した時のレベルも、見てないところでの努力の結晶なんだろう。


「実際は、戦闘はほぼ経験しないんだ。火焔山や海底神殿のように、守護獣が暴れてモンスターが狂暴にならない限りね」


「あ、、」


任命されて半年のトリトルと、勇者になって日もないシゲ。


「もう、レベルは君の方が上回ってるんだ。クラスチェンジを先にこなしてるからね」


「……なんか、悪いことしちゃったかな」


「勇者が気にする事はない。鼻っ柱だけ伸びていたから、誰かに叩き折って貰う必要があった」


そういうネプチューンの視線は、立ち去ったトリトルの方から少しも動かない。


「大丈夫、トリトルはちゃんとわかってたよ。素直じゃないだけで…」


まぁ、ちょっと傷付いたけど。


別に気にしてなんかないよ、いや、気にしてたところに唐辛子と塩を塗り込まれたってだけで…。


「さぁ、勇者。聖剣を」


すっと聖剣を出すと、ウンディーネがアリアのクリスタルからふわっと現れる。


「★◆□○△◎●」


ウンディーネが何か話しかけてくるが、さっぱりわからない。


「……???」


あ、神獣とは話通じるんじゃないんだな……。


「ゴブリンの心核とクラーケンの心核、そしてレヴィアタンの心核を」


「え、あ、はい」


すっと差し出すと、ネプチューンとウンディーネが聖剣を水に浸し、その上に心核を落としていく。


「強奪してた理由、わかって貰えたかな?」



ふふん、と、ドヤッている凍慈。

こっちの鼻はまだまだ伸びるようだ。



「長き眠りから目覚め、真なる姿を取り戻せ」


カッと光り、心核が聖剣の中へと入って行き、苔が一気に落ちていく。


【苔むした聖剣】は【錆だらけの聖剣】になりました。


の、テロップ。


「…………」


言えない。あんまり違いがないんじゃ、とか。

口が裂けても言えない……。


「さて。このあとだが……。エントの樹海へ行くのはどうだ?」


「……樹海!?こんな序盤で樹海とか…」


「トリトル。そこにいるな?彼らをエントまで送って来なさい」


「ちっ。わかりましたよ」


ちょっと目の回りが赤いけど、、今はそっとしておこう。



「オルヘ隊、来い」


ピュイッと口笛を吹くと、人数分のシャチがざばっと波を立てて入り口に。


「樹海へ行く準備が終わったら声かけて」


アトランティスの市街地へ準備の買い出しへ。


「マジか、、あの女神やりよるやんけ。そんな攻略方あったんか……」


「???」


「いや、樹海って毎回行くの後半やねん。理由はシンプルで、ルートが天空経由か海路やねんけど…。まさか先にこっち来てって方法があったとは……」


「何言ってるのかよくわかんないけど、、その後半の場所に今行って大丈夫なのか?」


「あ、言うてなかったっけ?最初の神獣のレベルを基準に、1体解決する度に残りの場所のレベルが10くらい上がって行くシステムや。モンスター含めて」


「そういう事はもっと早く教えて欲しいっっ!!」


「逆に言うと、ややこしい所ははやめに回る。レヴィアタンとか後半に残したらエグい事になっとったわ…」



準備を終わらせ、シャチの背中の鞍に跨がる。


行きの船の倍はあろう速度でアトランティスがどんどん遠ざかって行く。



「あれ?」


一瞬だけ、、アトランティスが金色に光った……気がした。


「どないした?」


「いや、なんでもないよ」





━━同時刻、アトランティス━━




「……皇国の皇太子殿よ、久しいな」


音もなく王の間に姿を見せた白いフードの人物。

すっとフードを取る。


「海王にご挨拶申し上げます」


そう言って頭を下げた見目麗しい金髪の青年。


「楽にして欲しい。して、何用か」


「ここに、光と闇の洞窟の鍵が保管されていると伺いました」


「……やはり、あの洞窟の鍵を取りに来たか。本来は勇者に渡すべきだったんだろうが…。二人が決闘していた時に君の姿が見えてな」


少しだけばつの悪そうな表情を見せたジェダだったが、それも一瞬だった。


「我が、、“アレ”を保管していた方が安全かと」


「頼んだぞ、バハムートの騎士」


「御意に」


すっと踵を返して颯爽とその場を去るジェダ。



【ジェダとの友好度が+15されました】



そのテロップは、シゲに届く事のない表示。



しかし、少しだけ。


ジェダの心は晴れやかだった。




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