クラスチェンジ!
「アトランティスの大神殿は王の間やってんな」
クラスチェンジしたいと話しかけると、ネプチューンが王座から立ち上がる。
「大神官をここへ」
さっきは色々あって王の間をよく見れてなかったけれど…。
天井は高く、ドームのような結界で外の景色が見える。
色とりどりの魚が泳ぎ、王座の後ろは海水の滝が流れていて、足元から外へと排出されている。
王の間全体が海面と更にその遥か上空の太陽光が反射して、真っ青に見える幻想的な空間だ。
「(普通に癒される空間なのにな、、なんか…勿体ない…)」
シゲの視線の先にはトリトルがいて。
腕を組んだまま、、やはりムスッとしている。
「お待たせ致しました!勇者様。クラスチェンジですね」
ぜひとも勇者を誰かと交換……
****勇者シゲ****
………来るとは思った。
****クラスチェンジについて説明します****
ステータス画面が開き、【クラスチェンジについて】の文字が。
下級職から一つ上の上位職へ進化する事で、4段階の進化があるそうだ。
しかもクラスチェンジ後にサブ武器の解放があるとか。
「4回!?ちょっと待って!?情報多すぎる!!」
勇者と聖女は分岐はないが、他のメンバーは最初のクラスチェンジは光と闇の2分岐。
その次は更に分岐があると書かれていて…。
****最初のクラスチェンジは20で、その次は45となります。
外見や性能が大幅に向上しますので、忘れずに行って下さいね!****
「あーーー。これは初心者には難しいか……。しかも説明書なしでやもんな…」
ちょっと見せてみ、と言われてジョブ表を見せる。
「弓兵は前作と対して変わって、、フォレストマニアは知らん。過去作にはなかったしな…」
弓兵
白ルート
→盗賊→怪盗→ロビンフット
レンジャー
→探検家→求道者→フォレストマニア
黒ルート
短剣士→弓使い→弓術師→弓導師
「俺は無難にレンジャーにするわ…。短剣使えるようになるしな」
「私は、どうしたら?」
そうセピアに聞かれ、今度は黒魔法使いを開く。
黒魔法使い
白ルート
→白魔女→ウィッチ→賢者
白魔術師
→探求師→飽きし探術者→隠者
黒ルート
黒魔術師→剣魔法師→交わりの術者→赤魔導師
「赤魔導師一択や」
もはや即答レベルの速さだ…。
「えっ!?そうなの!?」
と、驚くシゲとは対照的に、セピアは「わかったわ」と一言。
「剣最初から使える設定やしな、よし、決まり決まり」
ちなみに勇者は
見習い勇者→駆け出し勇者→目覚めし勇者→聖なる勇者
聖女であるアリアは
白魔法使い→見習い聖女→聖女→闇を晴らす者
らしい。
なんだろう、俺だけずっと勇者で統一されてるんだけど……。
もう少し勇者もオシャレなのになってもよくない?
「勇者、英語だと……」
「ブレイブとかヒーロー?」
「………ブレイブが良いなぁ」
「あれや、勇者にも特権があんねん。知らんけど」
「いーーーなーーー、俺も名前変わりたい……」
「決まりましたか?」
大神官からそう声をかけられると、ネプチューンの王座の背後の滝が真っ二つに割れ、青紫の巨大な宝石が姿を現す。
「タンザナイト。綺麗…」
「本来ならば宝玉に触らなければクラスチェンジは出来ないが…」
「えっ!?」
「あ、ほんまや、忘れとった」
何でそんな大事な事、今思い出すのかっ……。
わざわざ大神官まで来てくれてるんだけどどうすんだ??
「ウンディーネ様がこちらにいらっしゃるので可能だ」
ほっと息を吐くシゲを横目に、「アカンかったら炎の宝玉でやればえーかなって」と軽い凍慈。
「………軽いっ」
なんでも、大神殿の宝石は宝玉とリンクしており、守護者がいれば力を引き出す事が可能、らしい。
「よいな、トリトル」
ふんっとやはりそっぽを向くトリトル。
「ウンディーネが嫌だって言ったら…、、イテッ!?」
トリトルの頭上から真っ青の髪、真っ青の瞳、そして人魚のような女性が姿を現し、トリトルの頭を一発小突く。
「………ちっ」
「まずは様をつけなさい。そしてウンディーネ様はお前のように心狭くないわ、馬鹿者」
「まずは勇者様、こちらへ」
巨大な宝石の真下へ。
「さぁ、クラスチェンジしたい、と、強く願って下さい」
クラスチェンジしたいかどうか、より。
クラスチェンジしたら、また一歩、責任が肩にのし掛かるんだろうな、という気持ちが強い。
「形式的なもんやから、さっとやってまお」
なんて凍慈は言っていたけれど。
世界を救う旅なのに。本当に何も思わないのだろうか?
【貴方にマナの導きがあらんことを……】
どこかで誰かの声が聞こえて、カッと光に包まれ、王の間に光が弾けるように広がった……。
【見習い勇者は駆け出し勇者にクラスチェンジしました!】
の、テロップ、バンバンと上がるステータス、そして見た目は“村人”感のある格好から、専用の防具を装着した、少しだけ勇者のような装いへ。
そして腰には聖剣を仕舞う専用の鞘が。
「(そういや、装備ってつけても見た目は変わらなかったけど、、クラスチェンジで変わってくんだな……)」
既に光に包まれるアリアを見ながら、、腰へと移動した聖剣が……ほんの少しだけ重たくなった気がした。




