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勇者に転生したけど理不尽だ  作者: 甘味好き
いざ、神獣巡りの旅へ!
28/45

水流の騎士とウンディーネ 前編




「………ユーシャイッコー」


なんだ、急に棒読みみたいな…。

さっきとは雰囲気も変わってなんか気だるそうだぞ?


「アトランティスにしょーたいシマァス…」


「………」


「………」


「………」


「……ちっ、面倒くさっ」


あ、こいつ、、たぶんあかんやつ。



船員からは「トリトル様が来てくれた!」

と、歓声が上がっている。


くるっと向き直ると船員や他の客にニコニコと手を振る。


そういう二面性はあるらしい。


って事は…、有名人?



「オルヘ」


ピュイッと口笛を鳴らすと、海面が一瞬だけ不自然に盛り上がる。


次の瞬間――


甲冑を纏う巨大なシャチが、海を割って甲板へと跳び上がった。


この甲板は海面から6メートル以上はあるんだが…。

と、驚いている中、アリアは可愛いー!と頭を撫でている。


「お、おい、、あれ?」


「…バイバイとかやれんのかな?」


「ボールタッチとか…、ウォータースプラッシュとか」


「オルヘが初めての人間に撫でさせるなんて……。そこのアホ二人とは何か違うって事か」


アホ二人。たぶん、俺と凍慈の事だな。口まで悪いときた。


「当たり前よ。この方は聖女。もう少し礼儀を……」


「はぁぁ!?こんなチビが聖女!?」


「あんたも十分チビでしょ!わきまえなさい!ウンディーネの騎士・トリトル!!」


ふんっと鼻を鳴らしてシャチに跨がると、そのままシャチはゴロンと転がる。

シャチと一緒に甲板から海へと落ちたと思えば、既に船の正面に。


「シーサーペントに苦戦してるような奴ら、オレは認めないからな!」


じっとシゲを見つめ、鼻をふんと鳴らしプイッと顔を反らす。


「あんな情けなさそうなやつが勇者とか、この世は終わるぜ」


そういって海中へと姿を消した。


「初対面でめちゃくちゃディスられたんだが?」


凍慈は少し哀れんだ顔をして見てくる。

そこは気の効いたフォローしろよ、関西人!


「ほんとに、、今回の年少組最悪っっ」


セピアの深い溜め息でなんとなく察したシゲだった。





「おお、すごいな」


船の帆が畳まれると、船は丸い結界のようなものに覆われてゆっくりと深海へ沈んでいく。


「綺麗…」


上空から差し込む日の光に照らされる海中。

光と青のコントラストの中、珊瑚礁がお出迎え。


「私も海底王国(アトランティス)にはじめて来た時は感動したわ」


珊瑚礁を寝床にする、色鮮やかな魚の中を進むこと少し。


海中に現れる結界の張られた巨大な国。


「あ、空気あるんだ」


「な。潜水服みたいなん着なあかんかと思った」


そこは魔法で空気を…とかの発想じゃないんだな、という突っ込みは一旦引っ込めておく。


「勇者御一行ですね。海王ネプチューン様がお待ちです」



アトランティスに海王ネプチューン。


「(あの三股の槍はトライデントだったりして?)」


シゲ自身、海外の歴史ものや神話は好きで結構読み漁った。


「(トリトルもトリトンをモチーフにしたんだろうか…。って事は、父親はネプチューンだったりして?)」


海底の民の服装も、その時代に合わせたものだろう。


歴史物の有名なネームバリューが続々と出て来て、少しわくわくして王の間へ足を踏み入れた。



瞬間だった。



「この大馬鹿者が!!!!」



腰を抜かしそうになる程の怒号が鳴り響く。


わくわくはどこかへ飛んでいき、全員の背筋から何から何まで、一瞬でピンっと伸びる。


「………ちょっと借りただけじゃん、そんなぶちギレなくたってさぁ」


顎髭を蓄えた、黒に見える青い髪と特徴的な赤い瞳。

トリトルと同じくトゥニカとトゥガに似た服を纏う、30代後半くらいの男性。


トリトルの手から金色の槍を取り上げ拳骨を落としたところだった。


「あの方が、海王ネプチューン様です」


案内をしてくれた人が小声で紹介してくれたが、、中に入れる空気ではない…。


「…あ、あの子…さっきの…」



「その槍をオレが持ち出したから勇者御一行が助かったんだからさ、そんな目くじら立てなくてよくない?」


反省の色があるとかないとかなんてもんじゃない。

“それが何か?”レベルの態度に、ネプチューン王の額に青筋が浮くのがわかる。


「このトライデントはこの国の国宝であり、海洋生物全ての命を預かるもの。王の許可なく持ち出すことは許さ…、聞いているのか!トリトル!」


刺さったのをシーサーペントが抜いてなかったらヤバかったって事か……?


ダメじゃん!!


「へーへー、聞いてますよぉ~」



あー、これ、ダメなやつだぁ……。





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