ジェダ・ハンネ・アウゼンハイド EP1 前編
【苔むした鍵を手に入れました】のテロップとものすごい光。
ゆっくりと目を覚ます。まだ目の前がチカチカしている。
「………って、どこ?」
いつも通り、落ちていた主張の激しい宝箱を開けたまでは記憶にある。
「あかん!トラップや!」
の、凍慈の声もまぁ聞いていた。
ただ、とりあえず、一言言わせて欲しい。
あかんトラップや、だと??
今の今までどうしてそんな大事なことを教えてくれなかったんだ?
散々人に「宝箱はスルーすんな!」とか言ってたのはどこの誰だっけ?
「…いや、待って待って、、俺わかんないよ?」
一旦落ち着く為に周りを確認する。
とりあえず、先ほどの火山で無いことはわかった。
先ほどとはうってかわって、物凄く涼しい。
そして……
「個室トイレか何かの中かな……?」
くらいの狭い空間というか、個室?だ。そして目の前には扉。
「開けて良いのかこれは…」
宝箱を開けたらこんなところに飛ばされた訳で。
ゲームのセオリーはわからないが、開けたらまた何かあるのではないのか?
「…いや、でもここから出るにはこれしかないよな…」
ごくっと生唾を飲み込む。
ドアノブに汗ばんだ手をかけ力を入れて押そうとした、瞬間だった。
「う、えっ!?」
勝手に扉が開いて、その勢いでゴッと分厚い壁のようなものに顔から衝突。
「行き止まり…?」
「こんな所で何をしているんだ?」
金ぴかの壁が喋りだした!
━━━の、方がマシだったかもしれない。
「………」
聞き覚えのある澄んだイケメンボイス。頭を上げるのが怖い。
確認すれば不思議そうに見下ろす碧眼とばっちり目が合う。
「…ジェダ、だっけ」
あー、最悪だ。
「…」
「…」
「まぁ良い」
すっと視線を外してそのまま体の向きをかえる。
「いやいや、良くないだろ、お互い敵なんだし!」
あー、思わず突っ込んでしまったァァ!!何やってんだ俺っ!?
今バトルに突入したら終わる!!間違いなく終わる!!
「…敵?」
「あれ?違う?」
よくよく考えてみるとジェダって敵なのか?
村を襲ったのはジェダじゃないっぽいし……、王?みたいなのに言われて彼は襲っては来たけど、実際は命を取るとかもないしアリアも調べてくれたお陰で聖女ってわかったわけで。
「…あ!!アリア、助けてくれてありがとう」
一瞬、二人の間に静寂が流れる
「(ん?なんだこの間は……)」
一度だけ、すっと視線を不自然に外した
「ああ、卿は……」
あれ?
なんだろう、この反応。
「いや、助けたわけでは…」
これもしかして……、忘れられてた……?
「って、実際アリアはあんたに助けてもらったんだから、そういう“感謝”とかは素直に受け止める」
「………いや、だから」
「はい、この話は感謝を伝えたかっただけ、おしまい!」
シゲのマシンガントークに気圧されたのか、流石のジェダも呆気にとられる。
「てかここどこ?」
左右を確認するが、見覚えがないとかのレベルではない。
火山にいたのにどうみても室内、冒険映画にでてきそうな神殿のような。
「知らずにいるのか?まさか、置き去りにされたのか?」
「どんな非道な一味だと思われてるんだ……。宝箱開けたらここにいるんだよ」
いや、まぁ盗み連発するような一味だけどさ、そこまで酷くはないぞ?ないよな?
「ああ、ワープミミックか」
「物騒な名前の宝箱だなオイ」
「宝箱ではない、モンスターだ」
「もっと物騒だった!!!」
「??」
再びすたすたと歩き出すジェダの後ろをさっとついていく。
「何故ついてくる」
「いや、そんな事言われましても……」
「まぁ良い。我も一人で探すのは骨が折れていた所だ」
戦力的な感じで受け入れてもらっているところ大変申し訳ないのだけど、、俺は(知識含め)なんの戦力にもならないよ?
「いやあの、俺は…」
【皇国の貴公子・ジェダが一時加入しました】
の、文字とお馴染みのステータス画面。
もう手遅れだった。
「……えぇ」
チラッとステータスをみれば流石のシゲも閉口する。
ジェダ・ハンネ・アウゼンハイド、18歳
身長190センチ、レベル85、職業・龍騎士
覚えている技・魔法
サンダー(単)、デイン(単)、ライデイン(範囲)、サンダーレイン(全)、バハムート・破滅の咆哮(召喚)
雷撃槍(単)、龍滅の舞(範囲)、撃墜旋(範囲)、龍吼(全)、一閃(全)
装備
武器・神龍槍(攻撃力+450)
防具頭・龍……
の文字を見て、ステータス画面をそっと閉じた。
「……よし、、なんとか乗り切るしかない」
そう心に固く誓った。




