暴竜・ファフニール!㊦
ファフニールの体力は残り僅か。
バフは凄いが、流石にあと1~2発だろう。
「終わりだ…」
「ガーネットの騎士として、私がしっかりとけじめをつけます!」
すっとセピアが杖を構えると、ウォーターよりも巨大な水の塊が。
「ウォタラ!!!」
ドボンとファフニールを包み込み、ゆっくりとその場に倒れこんだファフニール。
【神獣撃破】
の、文字とレベルアップの音楽と。
「落ち着かせたは良いけれど…。このままだと……」
「……なんかマズイの?」
「ファフニール様の住まう宝玉がないと、このままファフニール様は消滅してしまい、炎のマナは永久に失われてしまう」
え?それ、めちゃくちゃヤバいじゃないか…。
【アリア、、聖女アリア、貴女にマナの知恵を授けます】
その声と同時にムービーが入る。
[セピアさん。これを]
アリアからセピアに手渡されたクリスタルが真っ赤に輝く。
まるでガーネットのように。
[私、ルビーの聖女はマナの代理人となり、宝玉の修復を行う]
粉々に砕けたガーネットの宝玉が、セピアの手の中のクリスタルと共鳴しはじめる。
[宝玉が、、元に……]
クリスタルのような形をした、小さなガーネットの宝玉へと姿を変えた。
まだ手のひらサイズではあるが、その輝きは宝玉そのものだ。
そのまま火山の中へと落ちて行き、ファフニールが目を覚まし起き上がり、セピアの前にゆっくりと歩み寄る。
[我、ガーネットを守護する神獣・ファフニール]
どす黒いオーラは消え、キラキラと輝く金色の瞳がセピアを見つめる。
[騎士に命ずる。これより宝玉を助けた聖女と共に邪神退治へ同行せよ。さすれば我の力、そなたに貸し与えん]
[もとより、ガーネットの宝玉を助けて頂いた恩。しっかりと邪神討伐で返したい]
[では、我ファフニールはこれより騎士セピアに力を貸し与える]
【ガーネットの騎士が仲間になりました】
【ガーネットの加護】
【加護によるステータス上昇】
ステータス+10を獲得
【ファフニールが召喚出来ます】
の、テロップがステータス画面が開くと同時にバンバンと表示される。
ガーネットの騎士セピア・ファンアス(女性、20歳)
身長170センチ、レベル17、職業・黒魔法使い
装備・炎の杖(魔攻+20)、細身のサーベル(攻撃力+15)
火炎の騎士一式・オール+25
覚えている魔法・技
ファイア(単)、フレイム(範囲・やけど)、ファイアボール(全)、ファフニール(召喚)、ウォーター、ウォタラ(New)、
「あー、やっぱそのパターンかーー」
セピアのステータス画面を覗く凍慈が再び項垂れる。
「??」
「黒魔法使いがこの段階で加入とか変やと思ったんや」
「えーと?つまり?」
「黒魔法使いの魔法は、クリスタルの加護もらわな新しい属性は覚えへん」
「なんでだよ……」
俺の知ってる魔法使いと違うっっ!!
「仕様や」
レベル上げやりまくったら詰むやんけー!と謎の叫び。
よし、今は放っておこう。俺にはわからない世界があるんだろう。
そんな凍慈を無視して、セピアはアリアに片膝をつきサーベルを差し出して頭を垂れていた。
「私、セピア・ファンアスは今これより聖女様と共に邪神退治に赴きます」
火山が背景で、それは凄く神秘的に見えた。
「え、と、は、はい、よろしくお願いいたします!」
うん、こっちの景色の方が良いな、心が癒される……。
勇者の俺がなんだか空気な気もしないでもないけど、、美人が仲間入りするのはありがたい事だ。うんうん。
やっぱ凍慈は情緒ってのが欠けて……、、ん?
シゲの目にはいった、あの転生初日のような違和感の塊。
「宝箱、空け忘れてんじゃん」
グレーの両サイドに何やら主張の激しい角?らしきものをつけた宝箱。まだ誰も気が付いていない。
“幸運高い奴が宝箱開けた方が良いアイテム出る”とか言って普段は率先して宝箱開ける癖に。
「凍慈も抜けてるとこあるんだな」
いつも通り宝箱の頭をポンと叩いて開こうとした、その瞬間。
「ん?……あかん!トラップや!」
その言葉よりもはやく。ぽん。と、叩き終わった。
【苔むした鍵を手に入れました】のテロップとものすごい光。
え?ちょっと待って、どういう事???




