暴竜・ファフニール!㊥
「シゲ!?大丈夫!?」
「………あれ、なんともない」
「タリスマンの加護と炎耐性ジョブスキルのお陰や」
じゃ、削るの任せたで!とファフニールの足元へと走り出す。
「シゲ!ファフニールは前足と顔の3ヵ所が攻撃可能や!ぶんまわし連打で削れる!」
「OK!」
「なら、私はウォーター(範囲)で削るわ!」
足元へと近付いてから、若干の後悔。
顔近い…怖いんだけど!?…踏まれる!!?
ぶんまわしの1発は150、セピアのウォーターは250程。
「……調べる!弱点は水、た、体力…10000」
つまり、倒すには俺とセピアで約25発。
……あれ?多くない?
「ぶんまわし(MP4)、MP余裕で足りなくない?」
「そのへんは私がウォーターでカバーするから、ガンガン行くわよ!」
「えぇ、そんなもんなの?」
25発殴るとして……。
この凶悪ドラゴンからもそれくらい殴られるのか……。
理不尽なんですけど。
いや、待て。ゲーム知らないけど、、たぶんこれ4人で殴る設定のはずだから、実質半分でやるわけで。そりゃ足りないよ!?
そんな事を思ってぶんわしを2度程当てた瞬間だった。
戦闘中にムービーが入ったのははじめてかも知れない。
[……カーバンクルの奇跡]
アリアの服が風ではためき、ネックレスにしているクリスタルが真っ赤に光る。
そのまま上空へと光は上がり、雲に丸い穴を開けた。
そこから巨大なカーバンクルが姿を現すと、額のルビーから光が全員の体に。
体に光が纏わると、
【プロテクトレベル1】
【HP自動回復レベル1】
【即死攻撃1度のみ回避】
が、付与されましたのテロップと、再びバトルフィールド。
「……凄」
「ちょっとは有利になったかな?」
MP40多くない?とか言った事、素直に謝ろう。
自動回復なめてた……、HPの回復凄いな…。
「……ん?」
何度めかのぶんまわしを繰り出そうとした瞬間だった。
ほんの少しのムービーのような、よくわからないカットインのようなのが一瞬入る。
「凪払い!!」
【ぶんまわし】から【凪払い】が派生しました。
「うぉっ!?」
****勇者シゲ****
再び例のごとく周りが停止。
わかってるよ、バレットだろ。
技3つくらいしかまだないのに、バレットとか必要ないと思うとか言ってもバレットにセットなんだろ。
****派生が発生しました***
そっちかっっ!!
****一定の数同じ技を使い続けると熟練度が上がり新たな技へと派生します。また、複数の技から派生するものもあります****
知ってる!!てか、その情報はもっとはやくに…
****では、様々な技を使ってどんな派生があるのかチャレンジしてみて下さいね****
「今さら過ぎるーーー!!!」
「…………なんやアイツ急に、、お、火龍のネックレスゲット!!よっしゃ!!」
凍慈から先に教えて貰ったからで、本来はこのタイミングなのか?
でもどっちにしても遅くない!?
「き、気を取り直して、、凪払い!!」
220のダメージ表記。70アップだけど地味に嬉しい。
まぁ、だからちょっと失念していた。
「回避、からの凪払い!」
何度目かの、ぐっと力を込めての凪払いをするも、ファフニールの顔にペシッ!と音がなり、灰色の【67】のダメージ減少表記が…。
「あれ、MPが、、足りない?」
俺のMPは85ある。21回は殴れるはず。
ぶんまわしが7回、凪払いはまだ8回くらいしか出してないぞ?
「ん?凪払い(MP7)……」
……あ。
凪払い(MP7)。なるほど?
え、ちょっと待って待って…
MP固定じゃないのかこれ……
「倍になるなら先に言えー!!」
「えっ、もしかして、MP切れなの!!?」
「残り、4000くらい!」
セピアとアリアの声が重なった瞬間、「急所射ち」の声と銀髪が視界に入る。
「あとは赤にするだけや」
「……もう良いの?」
「ま、そんなところやな」
凍慈が嫌がってた理由はなんとなくわかる。
体力多すぎる、、いや、知らんけど!!
「アリアも回復意識しながら攻撃に回ってくれ」
4人で戦いだしてからの減りはやはり早かった。当たり前だけどな!!
赤ゲージになった瞬間、再び凍慈がファフニールに走りよる。
「ほな、行くで、、派生技・“強奪”!!!」
やっぱり強奪してるんじゃないか。
てか、盗むよりひどいネーミングだぞそれ。
【強奪成功!】
ああもうそれ字面が勇者パーティーじゃないよ、強盗一味だよ。
「ファフニールの心核ゲット!!あ、もう用ないで」
「用はあるよ、、何て奴だ……」
なんか申し訳ない。
赤ゲージで怒り心頭のファフニールに向き直る。
なんかバフがめちゃくちゃついてるんですけど、それ返そうぜ……。
やっぱりボス戦は理不尽だ…。




