暴竜・ファフニール!㊤
暑い中を進んでバトルして、更に無駄な寄り道して宝箱の回収作業。
あっちの道、こっちの道…、ファフニールの噴火がとか言ってるのにセピアはこんな悠長な事してるのは気にならないのか…。
「……宝箱とらなきゃだめぇ~?」
「情けない声を出すな。当たり前や。下手したら貴重なアイテムとかあったりするからな」
マップをくまなく探すということは、つまり無駄にモンスターと戦うという事で…。
「熱い熱い!あれ?魔法はっ!?」
「そんなバンバン撃てるわけないでしょ?MPがなくなっちゃう」
うん。まぁそうだよね、知ってた……。
そしてあからさまに金ぴかの宝箱が隠し通路らしき場所にあり、そこから出た【大事な物・冷風のタリスマン(全)】
「ふっ、どや、、って…冷風のタリスマンやと??」
「……」
****勇者シゲ****
来ると思ってたよ、大事な物って何?
俺の矜持という大事な物は結構落としてってる気もするけどさ。
****今手に入れた大事な物を装備して下さい****
「耐熱のタリスマン(味方・全)を装備。あ、これアクセサリー枠なのか」
****大事な物は装備出来る人が決まっており、このタリスマンは勇者専用となります****
「おお、なんだこれ!?」
「急に涼しくなったよ?」
「こんな物が火焔山にあったなんて知らなかったな…」
装備した瞬間、全員の体の周りに冷気の膜のようなものがふわっと出て、今までの暑さがなんだったのかくらいの快適な温度に。
凄い!と目を輝かせるシゲとは裏腹に、金の宝箱を発見し鼻高々の凍慈はうわ、最悪と項垂れている。
「……うーわ、マジか……確定やん」
「今まで泥棒しててあんまりだったけど、今回ばかりは、、凍慈??」
「ファフニール戦うんかよぉ……」
その言葉の意味をまだ本当には理解出来ていなかったが、あの凍慈がこの反応、、なんだか凄く嫌な予感がする。
そのまま進むとセーブポイントと金の女神像の場所まで到着。
全員のHPとMPをマックスにして、また例のレベル上げか?と思っていたけど凍慈そうでもなさそうで。
「レベルは?」
「16」
「……まぁ、そんなもんやろな。ボス3体目にしては高めやし、行くしかないかぁ」
その前にステータス見せてと言われて画面をオープン
シゲ、レベル16(+75)
HP 215(+115)《5》
MP 85(+35) 《5》
物攻 36(+23)《5》
物防 37(+24)《5》
魔攻 23(+16)《5》
魔防 23(+16)《5》
速さ 31(+22)《5》
技術 31(+23)《5》
幸運 30(+23)《5》
「またBSPふって………幸運全く上がってへんやん……」
「……幸が薄いみたいで」
「ジョブも全然やってない!?」
「だってどれをどうしたら良いかわかんないし」
シゲのパネルをささっと操作する凍慈。
シゲ、レベル16
HP 215(+115)《5》
MP 85(+35) 《5》
物攻 46(+33)《5》
物防 47(+34)《5》
魔攻 28(+21)《5》
魔防 33(+26)《5》
速さ 41(+32)《5》
技術 41(+33)《5》
幸運 50(+43)《5》
【熟練度アップが解放されました】
【クリティカルアップが解放されました】
【炎耐性20が解放されました】
【アイテムドロップ率アップが解放されました】
と、バンバンと頭の中にテロップが流れていく。
「とりあえずこんなもんやろ」
「《》これの5って何?」
「それはクリスタルの加護のパラメーターアップや。12の宝玉から貰えるんやけど、耐性アップとかもある」
「へー」
「あ、せや、ボスの作戦やけど……」
再び凍慈から作戦が言われる。
HPは赤ゲージにしたら攻撃ストップ、防御専念!の念押しだ。
「また魂抜き取るつもりなのか……」
そのまま奥の広間へと足を踏み入れるまでのちょっとした会話。
「魂ちゃう、アイテムや。あとファフニールは、前作は終盤のクソ強いトラウマ神獣やった」
「え?今このタイミングでそれ言う?」
瞬間、ムービーがスタートする。
[あれは、、皇国?]
セピアがそう言った先には巨大なガーネットの宝玉と、その足元には複数人の皇国の紋様の入ったフードを着た人間。
[ちっ、ジェダのせいで計画が遅くなった]
[良いから速く壊せ!]
シゲは走りだしていた。
[僕が連中の気を引く!皆は一掃して!]
慌てて凍慈が範囲技の弓を放ち、アリアとセピアが全体魔法を放つ。
[ホーリー(全)]
[ファイアー(全)]
[ぶんまわし!!]
間一髪、ガーネットの宝玉周りの人間を倒すも……。
[ああ、、ガーネットの宝玉が……]
セピアの叫びと同時。
ビシッ!!
と大きな音と立てに伸びる亀裂。
中は臼黒い色へと変わっていき、「ゴァァァァ!」と轟く咆哮が鳴り響く。
[来る!!逃げて!!]
バリンと宝玉が粉々に砕けた。
中から巨大な飛龍が飛び出し、ズドンと音を立ててシゲの目の前に降り立つ。
熱風が吹き荒れ、床の石がひび割れる。
衝撃で足元がぐらぐらと揺れ、シゲはバランスを崩す。
ぐるっと首だけが回ってシゲと目が合い……。
【堕ちた神獣・ファフニール】のテロップとムービー終了、からのシゲの目の前にはファフニールの大きな口……。
「え?待って待って待って、理不尽!!」
カッと口から火炎が噴射され、シゲは後方まで一気に吹き飛ばされた。




