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勇者に転生したけど理不尽だ  作者: 甘味好き
邪神へ続く道
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ワンダと職人ガルリー 前編



道中多少の戦闘はあれど、馬車は快適に飛ばし…


ある場所で止まり、全員が降りるのを確認すると、来た道を引き返していった。



「……つ、ついた?」



馬車が泊まった場所……



「……着い……、いや、ワンダどこ?」



そこはどうみても


断崖絶壁の切り立つ崖と土壁だった




「………」


「………」


「………」


断崖絶壁を全員で見つめること少し。


「ヒント的なのは……?」


あれだ、開けゴマみたいなのがあるんだよな?

と、凍慈を見るが、凍慈はあくびをしてふいと視線をそらした。


あ、これ、知らない顔だ……。


「あらへんな」


「…ど、どうしたら」


と、動揺しだしたシゲの頭の中に


『焦るな』


渋い声が響く。


シゲのクリスタルが淡く光ると、オーディンが姿を見せる。


『このあたりであろう』


すっと剣を引き抜くと、断崖絶壁を切る



空間が歪み、そして開いた先には地下へと続く階段があらわれた。



『……ドワーフの国、ワンダは狭間にあり、現世からの道は我が斬鉄剣ならば見つけられる』



「凄いね」



地下へ続く階段を降りていく。


しかも、思っていたよりかなり長い距離だ。


「ほんまにこの道であっとるんか?」


凍慈の言葉に、リアは思い出したようにすっと古びた本を取り出す。

その本のタイトルは【勇者と邪神退治の旅 下巻】だ。


「………アルヴィーが勇者と旅した時の本にこう書かれてる。“勇者たちとドワーフの国へ向かう。階段をどれ程降りただろうか。その疑問は、ワンダに着いた時に解決する”」



螺旋階段を降りて降りて。


そうして着いた、ワンダの国の入り口。


巨大な大門の前には小さく、そして見たことのない種族が立っていた。



「………」


「………」


「………」


「………」


門番のドワーフらしき人物とお互いに見つめ合う事十数秒。


「なんか話せや」


「………」


「えーと、、あの、オルブラッドから紹介されて来たんですけど…」


「………」


「………これが、紹介状です」


「………」


無言のまま、巨大な門が開く……



【職人達の国・ワンダ】のテロップと



巨大なドームのような高い天井のある空間と、どこからか差し込まれた陽の光が、国全体にふんだんに降り注ぐ



「そっか、、この国1つぶん……降りてきたんだ」



足を踏み入れると、今までの国とは少しだけ空気が違っていた。


蒸気が熱気を、鉄などの匂いが入って来る。


あちこちからカンカンと甲高い音が響き、小さな職人達は慌ただしく走りまわっていた。


「………ガルリー、どこだろ?」


「てか、メンバーでガルリーに会った人はおるんか?」


凍慈の問いかけに、アリアもセピアもガルーダもリアも、、やや困り顔で首を横に振った。


「ワンダの工芸品とかは見たことはあるのだけど……」


セピアの言葉に、ガルーダもうなずいた。


「そもそも、ガルリー殿は騎士であり騎士ではないとお聞きしている」


そう言ったガルーダを見上げ、隣のリアもうなずいた。


「………えっ!?どういう……」


「そもそも、ドワーフが騎士学校に入ったなんて話は聞いたことがないし……。アザリアス殿にどんな人物か聞いときゃ良かった」


「じゃあ、、武器屋とか?」


「よし、聞き込みだ」



ありがたい事に、武器屋などのマークは統一されていたので見付けるのは簡単だった。


凍慈の「アホ!まずはアイテム回収や!」という強盗提案は一旦却下して、武器防具屋に入ると……物凄い数の武器防具が並んでいた。



「あの~、すみません」


カウンターの椅子に座っているドワーフに話しかける。


「………」


「………つかぬことをお聞きしますが、ガルリーさんってご存知ないですか?」


ドワーフはシゲ達をちらりと見て、ああ……もう、わかった気がするぞ……。


「………」


「………あの、アザリアス殿の紹介で、決して怪しい者じゃないです」


「………」


「………で、ですね。聖剣を……研いで欲しくて……」


「………」


「ガルリーさんが出来ると聞いて……」



え?もしかして言葉通じてない説ある……!???


「………」


謎の無言時間を過ごし、ドワーフはゆっくりと指を差す。


あ、言葉は通じてたんだな?


振り返った先からは、もくもくと白い煙が上がっていた。


「行こう」


頼む、ガルリーは喋ってくれよ


もはや一抹どころでない不安を胸に、煙が上がっている家へと向かうことにした。





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