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勇者に転生したけど理不尽だ  作者: 甘味好き
邪神へ続く道
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戦いの後で……





「……………くたびれた」


邪神軍団が去り、城下町での救助や手伝いが一段落ついた所で座り込む勇者一向


「やっぱ、取り忘れあった気がするんやけど……」


「やっぱり?本当の意味はなんだったんだろ。もう今さらだけど……」


すっとシゲのクリスタルから姿を見せたオーディン。


『3つ程、取り忘れがある』


「えっ!?3つも!?」


待って待って、気づいてたんなら教えてくれても良くない?


『聞かれなかったからな』


心の中読まないで!


「って、理不尽!!」


すっと空中に亀裂が発生し、それが字のようになっていく。



1【邪神の腹心迷い込む。我オーディンの騎士は討伐へ向かう】


2【グレイプニルの脚は速く、腹心はなすすべなく奥の部屋へと追い込まれる】


3【与えれた致命傷は左足。封印しかあるまい】


4【奴の名はベビーモス。邪神の腹心なり。ここから出してはならない】


5【封印の部屋へ続く道は三の橋、グレイプニルは真ん中は通らない】


6【ベビーモスは真っ直ぐにしか走らない。見越して橋を落とすべし】


7【ベビーモスの跳躍を持ってすれば、この道は意味をなさない。何故なら、飛び越えられるからだ】


8【致命傷の足側は飛び越えれないだろう、落とすならばその二つ】


9【間違った道は奈落の底へ。正しき道は帰り道】



「1、5、8……。大事なところ取り忘れてるぅーーー!!」


なるほど、なんか間違ってた所が腑に落ちたぞ……。


「……………絶対これあれやん、ややこしいやり方せな行けん部屋やろ」


その背後でひやりと静かな足音、そして大型犬くらいのサイズに縮んだフェンリルが凍慈の背後からあらわれる。


『大事な石盤をまとめて置かんとは、信じられん』


「まぁ、フェンリルの時は石盤1ヵ所バーンだったけど、、いや、あれも大概だったよ……?」


セピアのクリスタルからはファフニールがボンッと出現して、文字を見てあくびを一つ。


『え?なんでそんな面倒な事するんだ?』


「そういや、ファフニールのところはほぼ一本道…」


『だから貴様のクリスタルはすぐに行き着き破壊されたのだ、失敗から学ぶとよい』


まぁ、あのそうかも知れないけどっ、オーディン、言い方!!


今度はガルーダの肩にサンダーバードがふわりと出現。


『我みたいに言葉として残せばピンと来たろうに。その阿保勇者も我の言葉にピンと来ただろう?』


「あっちの方は、たまたまなんですけどぉ!?」


って、あの時……起きてたな!?もう少し助けろよ!!


『気紛れサンダーバードの気紛れの思い付きと同列にされるとは……』


『それに関しては賛成だ』


オーディンとフェンリルを鼻で笑うサンダーバード。


『同列にしておらん。我の方が優秀だと言うておる』


『そうか?俺様からしたら、みんな似たり寄ったりだぞ?』


『バカ火竜はだまっとれ!』


三体から睨まれたファフニールだったが、大きな欠伸をして素知らぬ顔だ。



「……推理、間違ってたの?」


アリアは、ん~??と文字とにらめっこしていて、凍慈も「右側であっとるよな?」と疑問顔だ。


「行きなら、右で正解だったんだ」


そう言ったシゲの言葉に、セピアはなるほどと呟く。


「我々は行きだと思っていたが、実際は帰り道だった」


「あーーー。なーるほどな。最後の扉を背にして左側を飛び越えられない、つまり、行きで右側に足場を作ったら逃げられるって事かーー!」


うわー、これリセットしてやり直し出来へんのかーと言っている凍慈。


まぁ、怪しいと思った時にもう一度、探しに戻らなかった俺たちが悪いから仕方ない…。


「3本とも、橋はなかったのはどうして?」


アリアの問いに、オーディンは再び空中に絵を浮かび上がらせる


『真ん中は落としてあり、左側も落としてあった。正しき道には勇者が立ち、ベヒーモスは左側へ行き、奈落の底へ』


ベビーモスが慌てて走る。

その先の正解の道には勇者が立ち、勇者を避けるようにベビーモスが左側から先へと飛ぶが……。


「そっか。行きは……ベビーモスは飛んで渡ったんだね」


だから、あの時“分岐する”と言っていたんだ。


もし、正解の道を選らんでいたら、俺たちが先に足場へと行けたのかも知れない…。


『そうだ。石盤をバラしたのは、邪神に見つかりにくくする為だ。集めれば解ける内容のはず』


「う、、反省してます……」


『だが、逃げたところでベビーモスが力を取り戻すには更なる時間がかかるだろう。良くやった。そして……そなた達も、それまでに強くなれば良い』


「………うん」


オーディンがアザリアスと気が合ってるの、少しだけわかった気がする。


「(俺も、あんな風になれたら良いけど)」


オルブラッド平野でオーディンと並び立つアザリアスを思いだしながら、オルブラッド城から上がる花火を見つめた。


「こんな状況なのに花火上げんねや……」


「戦いが終わった合図っぽくて、俺は好きだよ」



暗い影の背後から、ようやく陽の光があらわれる



「とりあえず、今日は寝よう」


「賛成!」


長い長い24時間がようやく終わりを告げる


全員の足はようやく宿屋へと向いた…






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