ボス戦、ベヒーモス!㊦
ピタリとベヒーモスの脚が止まる
「………絶対、ここから出さない!!」
入り口の一番近くにいたアリアの杖が光る
「お願い!ウンディーネ!!」
ざぽん……と水が沈む音と、アリアは丸い水の膜の中に
バトルフィールドのギリギリ内側を水がぐるぐると回りはじめる
ウンディーネが姿を現し歌を唄えば、水が渦を巻く
歌声が、空気を震わせる
次の瞬間
一気に四方八方から水流がベヒーモスに襲いかかり
【水源の歌声】
2500ダメージ
全体回避アップ
敵にスロウ付与(継続10ターン)
水が破裂し、、水浸しのベヒーモス
『……聖女は、貴様か』
その瞳は再び煌々と紫に光り、アリアを睨み付ける
『………マナの女神より召喚を幾度、許されし邪神最大の邪魔者。ふむ、手土産に消すのも悪くない』
バタバタと身震いして水飛沫を飛ばした瞬間、その角はもう、アリアに向いていた
「アリア…、後ろに!」
何とか追い付いたシゲだったが、盾を構えるのが精一杯だ
━━━目を凝らせ━━━
「?」
━━━真っ直ぐにしか走らない━━━
頭の中を流れる声
「オーディン?」
━━━奴の動きは一本道━━━
足元には赤い線
そして、ベヒーモスの背後で砂埃が上がる
━━━盾を使え、軌道を逸らせ━━━
「アリア……。スロウ、、ありがとな」
おかげで、動きが見える
スロウを受けたベヒーモスは
さっきとは比べ物にならないほど、ゆっくりとした動きとなっていた
「カウンター!!!」
角が盾に触れる、その瞬間
盾を横に流せばベヒーモスの巨体はバランス崩し
その瞬間、剣を振り下ろす
「よし!」
大したダメージではない、その確かな一撃
「スロウは、10ターンだったっけ?」
ベヒーモスに技を打ち込んだリアが、再びシゲの前に立つ。
「……その時間があれば、倒せる」
後ろに飛び退いたところを、ガルーダが脇から一撃を
「お、重力の塊石ゲット~♪これ高く売れるんや」
黒い塊を自慢気に見せる凍慈
「はぁ。こんな時に……」
「エクスプローラー」
セピアの炎魔法がドンッとベヒーモスの足元で大爆発し、ベヒーモスは一気に体勢を崩した
『……勝てもしないだろうに、何故戦うのか。意味がわからん』
再び低い体勢、向けられた角
足元には赤い線
しかし、その攻撃が再び通る事はない
「カウンター」
今度は巨大なガルーダの盾がベヒーモスを軽々と弾き飛ばし、その間に全員の攻撃が当たり、確実にHPを削っていく
『………どうやら、ここで全滅したいようだな』
「……あ、、あれ、どうやって回避するんや?いや、なんか方法あるやんな……?」
「え?なにその不吉なセリフ……」
天井が、なくなったかのような深い闇色へ
ズドン!ズドン!
と、何かがどこかに落ち、足元を揺らす
「……石?」
「必殺技や」
「え?今までのは?」
「ただの通常攻撃や」
「……そんなバカな」
シゲよりも巨大な石がいくつか落ちて来て
ベヒーモスの紫の瞳はカッと見開かれた
『メテオ』
遥か天井から覗く、その巨大な隕石のようなもの
「う、嘘だろ……」
『潰れて死ぬが良い』
それは、唐突に訪れた
地下の空間に、降るはずのない小雨がパラパラと降りはじめる
「……ボスのHP、残り4割くらいが発動条件ってとこやったか。もしくはターンか?」
「……え?」
シゲのクリスタルが共鳴するかのように振動
「……オーディン、召喚」
目の前の【オーディン】の文字に、そっと触れる
その背後から、パカッパカッと、蹄の音が鳴り響く
『何故貴様がここにいる!オーディン!』
再び角を下に向けるベヒーモス
『悪を滅するため』
透明の剣が引き抜かれ、落下して来る巨大隕石へグレイプニルが空間を駆け上がる
━━斬鉄剣━━
空間ごと切り裂く漆黒の一撃
バリンと音を立てて、あとにはキラキラと光る破裂した魔力の残骸が散らばった
『………貴様らの事は覚えたぞ』
その声は頭上からした
見上げた先
シゲ達の頭を飛び越えているベヒーモス
『完全に復活した時、貴様らを屠ってくれる』
「待て!!」
既に扉から飛び出しているベヒーモス
通路の左側を跳躍し、シゲ達の乗って来た足場を踏んで飛び越え
そのまま走り去って行った
「……逃げられた!追いかけよう!」
「でも、足場」
アリアが見つめるその先…
ベヒーモスが踏んだ足場は……
奈落の底へと落ちてしまっていた……
ボス戦、ベヒーモス!㊤で最後の部分にミスがあったので、修正をしてます。
㊥の後書きもあとからだったので、こちらでも(汗)
シゲ達、正しくは右側から来ています。




