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勇者に転生したけど理不尽だ  作者: 甘味好き
邪神へ続く道
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ボス戦、ベヒーモス!㊥



開幕早々、全員の召喚魔法が一気に発動


「ほな、いくで」


凍慈のクリスタルが真っ青に輝き、髪、マントがバタバタとはためく


足元はパキンと音を立てて、凍っていく


その背後


シャリッと雪を踏みしめる音と、巨大な狼が暗がりから現れ……


【氷狼の遠吠え】


の、テロップに合わせて遠吠えが鳴り響き、氷の一閃がベヒーモスへ


氷属性攻撃

全属性耐性アップ

敵に氷結効果(10ターン)



「……よし、俺も」


召喚魔法の欄を見て、しかし。


「……?」


「どないしたんや?」


「オーディンが召喚出来ない……」


その文字は明らかに薄く、他の技とは違う表示となっていた


一目で、「召喚できない」とわかる。


「ん?なんでや?……あ、オーディンって召喚に条件あったで」


「え!?」


待って、そんなの知らないんだけど!?


「たぶん、バレットにセットする時、下とかに書いてた、はず」


「もっとはやく教えてくれっ!!」


「いやー、忘れてた!てか知ってるかと…」


 

そんなやり取りを横目に、ベヒーモスの巨体がゆっくりと起き上がる

 


『楯突く愚か者どもめ』


バリバリっとベヒーモスの周囲を紫色の球体が数十、ぐるぐると円を描くように回っている。


「……あー、やっぱり。グラビティか」


「え?」


背後でボソッと呟いた凍慈


聞きなれない技?の名前に、振り返ると険しい顔をしていた。


「ベヒーモスは、“特殊属性”やった」


え?待って、なんだって?


球体が1つ飛んで来て、リアがそれを太刀で居合い切りする


「アカン!」


球体を触った剣を中心に、時空が歪んだように凹み、そして元に。


「……!?」



****勇者シゲ****



なんだか、久々?

いや、色々と言わなきゃならない事あるよな!?



****特殊属性の説明をします****



もっと他にもあるよな!?

いや、それも大事だけどさ!!



****12に属さない属性魔法が存在しており、邪神の腹心はその属性を所有しています****



えーと、ちょっと待とうか


勇者側《こっち》にもあって良くない!??


なんで敵側にしかないの!??



****ベヒーモスは重力属性《グラビティ》****



なんだ、その……聞きなれない横文字



****当たると、魔防に関係なくHPが4分の1になります****



「何その理不尽!!!」



再び動き出した瞬間、確かにリアのHPは、まるで抜き取られたかのように4分の1減っていた…



「……弱点、、あるのか?」


くるっと杖を回したアリア


「調べる!重力・闇属性!体力、残り45000!」


ぽんぽんと服の埃を払う動作をしたリアが再び剣を構える。


「……弱点があるならやれるね。リジェネもあるし、重力攻撃も大したことないよ」


その言葉を聞いた、盾を構えるガルーダがふっと笑った。


「前衛は任されよ」


再び詠唱に入るアリア


全員の足元から円を描くように、まばゆい光が包み込む


「……聖なる加護」


【シャインソードが付与されました】

【シャインガードが付与されました】



「一気に必殺技で削るで」


「オッケー」


全員の武器が光輝く


『………ぐ、、その光!』


あからさまに嫌がる動きを見せたベヒーモスへ、全員が一気に必殺技で飛びかかれば、ベヒーモスの体は大きく後退する。


「よし、いける!押しきろう!」



『………調子にのるなよ、小僧ども』



真紫に光る眼光


太い前足が折り畳まれ低い体勢へ


頭を少しだけ下にして…



「……?」



見えるのは捻れた2本の角


足元には気味の悪い、赤いラインが真っ直ぐに伸びていて……


何故だろう、今、石盤の文字が頭の中を通り過ぎる



「………ベヒーモスは、」



砂埃がベヒーモスの背後で舞う


その巨体は


目にも止まらぬ速さで全員を四方八方へ弾き飛ばした



「……ヒールオール!!」



どこかでアリアの回復魔法が光るが、全員が立て直す時間は僅か



「バラけたらまずい、元の位置に……」


ギラっと紫の2つの光、真っ赤なラインがどこかに伸びる



「……ガルーダ!!!」



リアの叫び声と、シゲの真横にガルーダが吹き飛ばされる


「………威力は、アリアの加護で耐えれん事はない」


どこかから、アリアの回復魔法が頻繁に飛んでは来るが、全員が立て直せる程の時間はなく


「前!来るで!!」


凍慈が弓を構える先には、既に頭を下にしたベヒーモスがいて…


「いやいや、なん連発やねん」


再び、シゲと凍慈は宙を舞うことになる



「倒せるのか?」



地面とにらめっこする事、一瞬


一抹の不安が、、過る



「……いや、向こうはあれだけ技を使ってるんだし、先にMPなくなるよね」


「……MP切れ起こすのは勇者一行《おれら》だけやで」


「なんで!?」


「知らん、ボスがMPなくなりましたとかほぼ見たことない」


「理不尽!!」


バリバリっと紫の光、そして再び浮かび上がる大量の紫の玉


「あーーー、あれはアカン」



『ミールストーム』



ベヒーモスの周囲に竜巻のような風が起こる


全員の体は強力な引力に吸い込まれるようにその場にしがみついているのがやっとだ



『………我に挑むのはまだ速かったようだな、勇者達よ』



吸い込む竜巻が逆流し、再び全員が四方八方に吹き飛ばされる


その様子を見て、ベヒーモスは興味をなくしたように入り口へと歩みを向けていた






ギミックのミスがあったので前話を修正しています。


シゲ達が通った道は、正しくは右端ですm(__)m

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