闇夜の攻防 ㊥
カメラのアングルは遥か上空、飛龍の頭上にまで上っていく
巨大な飛龍の後ろには、更におびただしい数の飛龍が列をなしていた
うち上がる花火の光が飛龍を映し出し、オルブラッド城下町は一瞬にして大騒ぎに
[あの、模様は……邪神の……]
小さくアリアが呟いた、その瞬間
[勇者もろとも消えるが良い]
巨大な飛龍は口を開けて、光線をオルブラッド城目掛けて吐き出した
[…今日だけは、襲って来て欲しくはなかったのだがな]
アザリアスが見上げた瞬間
闇夜を切り裂く光線がズドンという衝撃と同時に
オルブラッド城を揺らす
しかし、キラキラと光る薄い膜のようなものが光線を防いだ
[オルブラッド第一大隊は城及び城下の守護に向かう!!]
王城の跳ね橋が東西南北4箇所にガコン!と音を立てて掛かり、城から軍馬が一気に外へ
[オルブラッド第二大隊は城下町の一般人の避難!急げ!!]
[結界が壊される前に!!!]
全身鎧を纏ったアザリアスが集合しているシゲたちの前へ
[……奴らの目当ては恐らく、この城に封印されし邪神の右腕、ベヒーモスだ]
すっと手渡された、ゴツい銀色の鍵と、5つの別々の色をした小さな鍵
青、赤、黄、緑、黒とハッキリわかる色合いだ
[城の地下神殿の奥に、封印去れている。もし、封印が破られそうなら……。弱っているうちに……]
そう言うとアザリアスは兜をかぶり、軍馬に跨がって跳ね橋を走り去って行く
[…………オルブラッド城、閉門!!]
振り返ったアザリアスの声と同時
ゆっくりと跳ね橋は巻き上がっていく
再びズドンズドンと揺れる結界が目に入る
[行こう。僕らはベヒーモスを倒して、奴らの目的をなくしてしまおう]
全員はうなずいて、地下へ続く階段へは足を踏み出した
「なんで、地下にモンスターがっ!」
「使われてなかったから、下水道からモンスターが入っちゃったのかな」
と、アリアは言うけれど……
「ダンジョンにはモンスターがおるもんや」
と、凍慈はお馴染みのゲームのド正論…
いや、わかるけどさ。
でも一言言いたい…
「理不尽だろ」
キィィ~と高音を発してコウモリみたいなモンスターの集団が襲いかかって来る
「任せて!」
アリアの杖がカッと光る
「ホーリーワールド!!」
まばゆい光がモンスター全てを包み込み、一瞬にして消し去る
「覚えたての上級の光・聖魔法だよ」
にこっと笑ってどや顔のアリア、シゲは凄いと目を丸くしているが……
「………いや待て、オーバーキルや」
相変わらず凍慈は細かい奴だな~、ハゲても知らないぞ?
と、思っていた矢先
「最悪や、、地下、、夜、、はよ終わらせるで!!」
そう言った凍慈、そしてその目線の先には……
「うわ、ゴーストとグールだ」
人魂感のあるゴーストと呼ばれたモンスターと、、もはや見た目完全にゾンビのグール。
「そういや凍慈ってホラー系……」
「嫌いや!」
オクタビウスでビビりまくっていた凍慈を思いだし、ちょっと笑ってしまうシゲを睨み付けている。
「大丈夫だよ!私の魔法でちゃちゃっとやっちゃうね!」
闇属性の弱点は光属性。
アリアの魔法のおかげでモンスターは簡単に倒せるのはありがたい。
そして、少し進んだところ
「行き止まり?」
「いや、そこに何か鍵差す窪みないか?」
壁がある、その右の端には、確かに鍵を差し込むような窪みが…。
「あ、本当だ……って、鍵どれ?」
「青の鍵では?」
ガルーダが指差す鍵穴の窪み
縁取るのは確かに青
青の鍵を入れて回してみれば、ガガガッと大きな音を立てて正面の扉が開き…、そして背後では扉が閉まった…。
「え?扉!?って、石盤……?」
開いた先、巨大な石盤。そして文字が刻まれていた。
【銀の扉へ行く者よ】
【赤は閉まれ、青は開け。どこかが閉まり、どこかが開く】
【黄は上へ、緑は下へ。どこかが上がればどこかが下がる】
【黒は架け橋】
【赤と青は同時に使えぬ、黄と緑も同時に使えぬ】
【黒は道を間違うな】
「………え、っと??」
「うーーーわ、、嫌いなタイプのギミック。攻略みながらやらんと迷子間違いなしやぞ……」
これ系だけは苦手や~と言う凍慈。
凍慈が苦手なら、俺はクリアすら難しいのでは……?
「………ネットカフェ、ないよね?」
「諦めるしかないな」
「やっぱり理不尽!!」




