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「・・・うぅむ・・・臭いが取れん・・・せめて御茶を貰えんか?」
「それじゃ罰になんねぇだろ、二人共帰るまで我慢しろ」
「・・・仕方ありません陛下。諦めて報告を聞くとしましょう」
「・・・・・そなたの誘いに乗るのでは無かった・・・・・パンドラ殿、報告を頼む」
「ああ、何も問題なく済んだ上に反対派の将軍三人倒せたのが良かった。それと交易都市を国境近くに作って人族では手に入りにくい食材なんかを取引してくれる事になったよ。あ、これはケイオスからの書簡だ検めてくれ」
「おお!素晴らしい成果じゃ!最早感謝の言葉もない・・・・・むぅ・・・国家として独立を認め周辺諸国に働きかければ償いは不要か・・・・・しかも本来なら此方から謝罪に向かわねば為らん所を此方に足を運んでくれると・・・・・ジェラルドよ我等も出来うる限りの便宜を図らねば為らんな」
「そうですな、同盟国として調印式の後は技術者の派遣や交流なども良いかもしれませんな」
「そうそう、魔王城で働いてる人達の中でこっちに興味があって来てみたいって奴が居るんだよ。調印式の後はケイオスも自由にさせるって言ってたし王城で使ってみるのはどうだ?」
「そうじゃな先ずは我々が率先して受け入れねば為らんな」
「初めは受け入れられない貴族も居るでしょうが、我等が率先していけば浸透しやすいでしょう・・・・・後は、教会関係者ですか。パンドラ殿、例の大使に会わせろと五月蝿いのだが何とかなりませんか?」
「普通の大罪人と同じ対応で良いだろ。教会にも罪状を知らせてガーランド家の名代に手を上げた事の責任は教会にも有るとか言って国民の教会に対する不信感を煽ると良い。噂になってる『教国との戦争』に信憑性が出て教会から人が離れて行くだろ」
「うむ、万が一の場合は玄田殿のお力をお借りしても?」
「ああ、構わない。ライラは此処の守りがあるから貸せないが、あいつなら教会にも顔が利くしな。それと塩は売り払ったか?」
「ええ、喜んで買って行きましたよ。ミゲイルの件で余程焦っていたのでしょうな。私との縁が欲しかったのか言い値で買って行きました」
「後二、三日もあれば教国最南端の街に着くと思う。そうなりゃ塩なんぞタダで無限に手に入るから楽しみにしといてくれ」
「おお・・・そ、それで我が国には幾らで卸して頂けるので」
「ん?ああ、タダでやるよ。その代わり売るんじゃねぇぞ」
「も、勿論じゃ。間違っても売る事の無い様に管理も徹底させる。ジェラルド、これで開墾に回せる費用が増えたぞ」
「これで雇用問題も完全とは行きませんが解決し、王家への信頼も回復しますな。パンドラ殿には幾ら感謝しても仕切れません」
「気にすんな、序だって言ったろ。俺より最初に俺を信用してくれたマークスに感謝してやってくれ」
「勿論じゃ。三代に渡ってこの国を救ってくれたガーランド家はこの国の誇りじゃ」
「取り敢えず塩を手に入れてから教皇との交渉に入るから後三日前後待っててくれ」
「うむ、おぬしの好きな様に遣ってくれて構わない。恐らくはそれが最善であろうしな」
* * * * * * * * * *
「何度も言うようですけど、パンドラさんだけじゃなく眷属のライラちゃんにも絶対に敵対しないで下さいよ」
「わ~ってるって、しつこいって~の。日本食食わして貰うんだ、俺だって礼儀は弁えてるつ~の」
「どうだか・・・あんたちょっと強そうな奴見かけると直ぐに喧嘩売るじゃない」
「ぐっ・・・ま~あれだ、相手の態度次第って事で」
「だめだこいつ。タケ、こいつ置いて行きましょう」
「ちょ、そりゃ無いだろ!大丈夫だって!大体パンドラって奴はともかく、俺より強えぇ奴なんてめったに居ないじゃねぇか」
「何言ってんですか!パンドラさんは魔王以上で、眷属の二人は将軍級だって言ったじゃないですか!ライラちゃんは見た目は可愛い犬獣人ですけど、中身は怪物ですからね!僕ら三人が束になっても敵いませんから絶対ダメですよ!」
「聞けば聞く程胡散臭ぇんだよなぁ。ま、手合わせしてみりゃ解るか」
「あ~もう。僕知りませんからね、ちゃんと注意しましたから」
二人に注意を促しながらガーランド家に着くと門番に話しかけた。
「こんちわ、パンドラさん帰ってます?」
「これは玄田殿ようこそお越しくださいました。パンドラ様ならお帰りになられてますよ。来客中ですが、どうぞ中でお待ち下さい」
門を潜り屋敷に向かって行くと数人が手合わせをしているのが見えた。
「あ~タイミング悪すぎ・・・・・シュウさん、あそこで六人掛けしているのがライラちゃんで見学しているのが次期当主のケント君・・・・・あれ?相手してるの近衛達かな?って事は来客って国王陛下?」
「へぇ・・・近衛って事は対人のエキスパートだろ?・・・ククククク・・・・・こりゃぁ楽しめそうだ」
「だめだこりゃ。タケ、私こいつと無関係って事で」
「僕も無関係になりたい・・・・・」
近衛達がライラに打ちのめされるとシュウは駆け出し、ライラの前に立ちはだかって名乗りを上げた。
「聖堂騎士団所属『白井 秋一』だ!いざ尋常に勝負!」
「イヤ。あなた玄田さんのお友達でしょ?今、ケント君の見取り稽古中だからあっち行って」
「おいおい、つれねぇなぁ・・・どのみちそいつら暫く使いもんにならねぇんだから俺と一勝負遣ろうぜ」
「ライラちゃん御免ね。後で文句とか言わせないから気絶させちゃって貰える?そうしたら僕が連れて行くから」
「ん~・・・・・解った。それで良いなら」
「・・・ククク・・・・・こりゃまた随分と自信がお有りの様だ・・・な!」
シュウが話し終ると同時に距離を詰め、不意打ち気味に右ボディブローを放つが拳の脇を転がる様に回転しながらライラは交わし、右手の木剣でシュウの右膝裏を叩き、体制が崩れた所を左手の木剣で後頭部を叩いて気絶させた。
「え?シュ、シュウが一瞬でなんて・・・・・信じらんない・・・・・」
「だから言ったのに・・・・・これで懲りてくれれば良いんだけど。ほんと御免ねライラちゃん」
「別に良いよ。稽古の邪魔だから退けて貰える?」
「ああ、直ぐに退けるよ。ケント君も邪魔して御免ね」
「いえ、ライラ師匠を見ているだけでも十分稽古になりますから」
「そう言って貰えると助かるよ、それじゃ」
シュウを背負って屋敷に入ると、ジェイムスに案内されてパンドラさん達の居る食堂へと案内された。
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