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「失礼致します。玄田様がご友人を御連れしていらっしゃいましたが、御通ししても宜しいでしょうか?」
「ん~まぁ良いか、一通り話は終わったし」
「畏まりました。玄田様どうぞお入り下さい」
「来客中失礼致します。陛下並びに宰相様、お見苦しい所をお見せして申し訳ありません」
「うむ、構わぬのだが・・・・・その者はどうしたのじゃ?」
「はぁ・・・ちょっとした病気でして・・・・・ライラちゃんにのされました」
「ブッ!・・・ははは!・・・なんだそりゃ!?あれか、強そうな奴見ると喧嘩売る脳筋か?・・・ククク・・・・・いやぁ面白そうな奴だな。で、そっちの子は?」
「始めまして、聖堂騎士団所属『赤城 雀』と申します。以後お見知り置きを」
「あ、こっちの馬鹿は同じく聖堂騎士団所属の『白井 秋一』って言います」
「赤木さんに白井君ね、俺はパンドラだ。そっちの二人はこの国の王様と宰相様だが、もう帰るから気にせず座ってくれ」
「え・・・いや、パンドラ殿せめて夕食を・・・・・」
「あぁ!?何言ってんだお前等!ちっとばっか反省が足りねぇみたいだなぁ・・・・・何ならもう一杯いっとくか?」
「え・・・あ・・・いや・・・・・冗談、冗談です。ね、陛下」
「う、うむ、さてジェラルド、仕事じゃ。お暇するとしよう」
「ジェームスさん、御二人さんが御帰りだ、馬車の用意を」
(ちょっとタケ。あの人国のトップにあの態度で大丈夫なの?)
(あ~色々有って二人共パンドラさんには頭上がらないから大丈夫)
ジェームスに連れられて出て行く二人を見送り玄田達を席に座らせた。
「さて、取り敢えず白井君って言ったか。彼を起こして貰えるか?でないと話にならん」
「あ、はい。シュウさん!シュウさん!起きてください!」
玄田が白井の肩を揺すって声を掛けるとハッと目が開き、同時に座っていた椅子を倒しながら後ろに飛び退きファイティングポーズをとった。
「え?何だ?・・・何処だここ?・・・俺戦って・・・・・ん?あんた誰だ?」
「プッ・・・ははははは!・・・良いリアクションだ!・・・ククククク・・・気に入ったよ白井君、俺はパンドラだ。俺に会いに来たんだろ?まぁ座れや」
「あ、ああ・・・・・タケ、スズ、俺は負けたんだよ・・・な・・・・・」
「ええ、あんたがあんなやられ方するなんてね。正直何が起こったのか解らなかったわ」
「だから僕が言ったでしょ相手にならないって。本気だったら今頃死んでますよ」
「だな・・・改めまして聖堂騎士団所属『白井 秋一』だ。あんたの眷属に手を出したのは俺個人の責任だ。こいつ等は許してやってくれ」
「ははは・・・そう硬くなるなよ。気にすんな、戴したこっちゃねぇ。で、玄田君からある程度は話は聞いてんだろ?」
「ああ、すまねぇ助かるよ。タケからも聞いたんだが・・・正直信じられねぇっつーか半信半疑?上手く言えねぇんだけど、利益が見えないって言うか・・・・・」
「あ~私もそれ感じた。日本人を召還してまで人族と魔族を戦わせる意味が解らないのよねぇ」
「僕は遠くから眺めてほくそ笑む愉快犯的な感じがしたんだけど」
「それについては今までの奴の行動から推察するに『寄代を作り出そうとしている』んだと思う」
「「「えぇ?!」」」
「勝てない魔族と戦わせて危機的状況を作り出して遺伝子の進化を促し、異世界人との交配により高位魔力精神生命体である自分の受容体を生み出そうとしてんだよ。召還される使徒達が何故日本人だけなのかは解らないが、魔力の無い世界のほぼ単一民族で構成されている事や環境適応能力が高いとか後は神に関して寛容な所なんかが理由じゃないかと思ってる」
「で、でも僕ら使徒の子供なんて聞いたこと無いですよ。神に仕える身だから結婚できませんし・・・・・」
「ちゃんと調べてみないと解らないだろう?君ら使徒は任務と称して彼方此方散らばってるんだから何処で何しているかなんて解らないじゃねぇか。こんな世界だ、魔物に遣られて記憶喪失になって行方不明になってる奴とかいても不思議じゃないだろ」
「じゃ、じゃぁ既に生まれているかも知れないって事ですか?」
「使徒の召還が始まって八十年だ、居ても不思議じゃない。俺の考える条件は『日本人との混血で光属性に親和性があり一定の年齢を超えている』事だ」
「その条件に当て嵌まる奴が何人居るか解らねぇが、探すのは無理だろ」
「ああ、だから奴が顕現する前に倒さにゃならん」
「あんた勝てるのか?」
「現状、正面からやったらまず勝てないな。だが幾つか策は有る。何より顕現されたらお終いだ。だから力を貸して欲しい」
「お、お終いって・・・・・どうなるって言うのよ」
「この世界自体が奴の寄代を作る為の実験場でしかねぇんだ、物質世界で自由に動ける身体を手に入れると言う目的を果たせば消されるだろうな」
「け、消すって・・・そんな・・・・・それって本当なの!」
「ちょっと信じらんねぇな、その根拠は?」
「つい最近奴に会ったし、ケイオス・・・魔王が会った時の話も聞いた。玄田君なら解るだろ、話の通じる相手じゃないって」
「ええ、僕もそう思います。何て言うか・・・見下してるって言うか取るに足らないって感じでした」
「ま、奴に取っちゃこの世界の生物なんて皆等しく下等生物で実験材料でしかないのさ。尤も俺だけは違うみたいだけどな」
「何だそりゃ?あんただけ違うってどう言う事だよ」
「奴が言うには『予想外で予定外』だそうだ。何で俺がこっちに来たのかは解らねぇが、俺の事は『直接手にかけてでも止めなきゃいけない程の存在』らしいぜ」
「ハッ!なるほどね・・・よっぽどあんたの遣る事が気に入らないらしいな」
「そいつは御互い様って奴だ。ま、何にしても奴が目的を達成する前に誘き出すか住処へ乗り込んで倒さにゃならんと言う訳だ」
「俺達に何遣らせるつもりか知らねぇが、その報酬が日本食だけじゃなぁ」
「それはおまけ見たいなもんだ。一番の報酬は教国からの開放と日本への帰還だ」
「な!か、帰れるのか・・・・・本当に日本に・・・・・」
「今直ぐには無理だが、現状この世界なら一度行った事の有る場所だけだが転移出来る様になってる。日本へ帰るためには大聖堂に有る『神託の間』を調べる必要があるがな」
「あそこにゃ教皇様しか入れないぜ。俺達でさえ召還された時以外一度も入る事は許されなかった」
「入れてくれなきゃ押し通るまでだ。で、どうする?」
「・・・・・いいぜ、俺も聖堂騎士団を抜ける。正直堅苦しいのは苦手だし、遣りたくも無い任務にも辟易してたしな。スズ、お前はどうする?」
「・・・・・私達に何をやらせたいのか聞いてからかな」
「ん?ああ、そんな大した事じゃない。連絡の付く使徒達をベルトラン王国に集めて欲しい、それだけだ。その後は自由にして貰って構わない。但し俺の邪魔はするな、余計な犠牲は出したく無い」
「へ?そ、それだけ?集めるって言っても手紙を出す位しか出来ないわよ?」
「それで構わないぜ。俺は日本人として教皇に教会の罪を認めさせあんたらの自由を勝ち取ってきてやる」
「本当にそんな事できるの?」
「簡単な事だろ、神を騙る人攫いの操り人形なんて大した事ねぇよ。最悪教国ごと消しちまえば良いんだし」
「く、国ごと消すって・・・・・本当は貴方が魔王なんじゃないの?」
「魔王だ教皇だ何て所詮役職みたいなもんで唯の呼び名に過ぎないだろ。そんなもんに大した価値は無いし呼びたきゃ勝手に呼んだら良い」
「・・・ふぅ・・・・・解ったわ・・・連絡出来るだけしてみる。それで良いんでしょ?」
「助かるよ。それじゃ飯にしようか。日本食・・・食いに来たんだろ?」
そう言って収納から次々と日本食をテーブルに並べて行くと二人は目の色を変えて食べ尽くした。
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