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魔王城の廊下を前回と同じ侍女に案内されて謁見の間へと向かう。


「またあんたが案内とはね。皆嫌がってあんたしか居なかったとかか?」


「・・・・・いえ、私からヴァイス様にお願い致しました・・・・・実は、他の者に声を掛けていたのが見つかってしまいまして・・・その・・・謝罪の機会を戴けたらと思いまして・・・・・申し訳ありませんでした」


「いや、謝罪はいらねぇよ。寧ろあんたの立場が悪くなったのなら謝るのは俺の方だ、すまんな」


「いえ、特に叱責等が有った訳ではないので私共の方は良いのですが、この件で今回の会談が不利に為るのではと思いまして」


「その程度で不利になんてならねぇよ。今回の会談が上手く行けばあんたらの常識や生活が一辺に変わる事になるから楽しみにしときな」


廊下の少し先の柱に腕を組んで寄りかかっている女が俺達に気が付くと近寄ってきた。


「はぁ~い。お久しぶりねぇ・・・・・此処からは私が案内するから貴方は下がっていいわ」


「・・・・・畏まりました。では、失礼いたします」


前回謁見の間に居た紫髪のサキュバスが割り込んできた。


「第三将軍アイリーンよ、よろしくね」


「・・・・・俺はパンドラ、こっちはライラだ。で、何か用かい?」


「ん~・・・あの魔王様が気に入ったって言うのも有るんだけどさぁ、あたしもあんたの事気になってね」


そう言って俺の目を見つめて来たその瞳が怪しく光る。


「・・・ふぅ・・・『魅了』か?俺達にゃそんなの効かねぇぞ。あんたは違うと思ったんだが・・・・・舐めた真似すんなら表の連中と同じ様に殺っちまうぞ」


「あらやだ、御免なさい。良い男を見るとつい、ね。勿論敵対する気は無いわ、まだ死にたくないし・・・・・あの子・・・タニアは元気かしら、貴方が連れて行ったんでしょう?」


「ああ、元気だ。今は仕事で別行動しているが何も問題ないよ」


「仕事!あの子がねぇ・・・・・あの子はさぁ一族でも虐げられててね・・・そっか、役に立ってるなら良いか・・・・・ありがとね」


「まぁそのうち会う事もあるだろ。そん時ゃ誉めてやってくれ」


「フフフ・・・そうね、そうするわ・・・・・・・・扉を開けなさい」


話をしつつ謁見の間に着くとアイリーンが扉の両脇に居た衛兵に扉を開けるように言った。


「魔王様お客様を御連れしました」


アイリーンに促され謁見の間に入り魔王の前へ進み、国王からの書状をアイリーンに渡した。


「よう、約束通り来たぜ。そいつはベルトラン国王からの書状だ検めてくれ」


魔王がアイリーンから渡された書状を検め俺に問いかけてきた。


「ふん・・・これは貴様の差し金か?随分と人族にとって都合の良い話だな。我等がこれに乗る利が見えん」


「領地の南側が使える様になるだろ。王国と取引すれば魔族領に無い物も手に入る様になるし・・・・・いっそ魔族領じゃなく国として独立を認めさせれば良い『ドラグーン王国』とかどうよ、初代国王さん」


「我は魔王ぞ、今更呼び名なんぞに興味は無い。それに領地の南側を利用しようと思えばいつでも出来るし人族との取引も必要性は感じんな」


「・・・ふむ・・・しかたねぇな・・・・・じゃぁこれならどうだ・・・神・・・『創造神』を誘き出すのに必要だと言ったらどうだ。あんたも因縁あるんだろ?」


魔王の眉がピクリと動き俺を睨む目が鋭くなる。


「・・・・・奴を誘き出すだと・・・それが可能だとして人族との和解に何の関係がある?」


「そもそも人族の進攻自体が創造神の仕業なんだよ。ビブリエ教国の教皇は創造神に『魔族を滅ぼさないと人族が滅びる』って言われてベルトラン王国に圧力かけて進攻させてたって訳。だから魔族と人族が和解すれば創造神の思惑から外れる事になるからその前に必ず邪魔をしに来るって寸法だ」


「・・・・・なるほど・・・全てはビブリエ教国を滅ぼせば済む事だな。我が直接行って滅ぼして来れば奴も現れるであろう」


「何言ってんだ、それじゃダメなんだよ。それをやったら人族に大義名分与える事になるから奴が出て来る必要がなくなるだろ。創造神の目的が何なのか解らない以上、奴がやらせている争いを止める事が一番なんだよ」


「・・・ふむ・・・そなたの言う事は一理ある・・・が、それで奴が出て来ると言い切れる根拠は?」


「実績がある。俺がベルトラン王国の貴族達を説得した時に奴が現れてな、問答無用で魔法打ち込んできやがって腹を打ち抜かれたよ。今は次回に向けて対策を練ってる最中だ」


「ハハハハハ!・・・何だ貴様もやられた口か!・・・ククククク・・・・・しかしよく生きておったな。よかろう、奴に一泡吹かせられると言うなら力になってやろう」


「そう言うあんたはどうなんだ?魔王やってんのも竜人族があんた以外に見当たらないのも奴が絡んでいると俺は見てんだけど・・・・・良かったら聞かせて貰えねぇか?」


「・・・・・貴様が奴を倒せば全ては終わるか・・・・・良かろう聞かせてやる。今から二百...いや、もう二百十年以上になるか・・・・・」


魔王は創造神と竜人族の因縁を語り始めた。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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