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忙しい日々に日本での事を思い出す。

日の出前に起きて仕事に行き深夜に帰宅し倒れる様に眠り、休日は掃除と洗濯をして終わり仕事に備えて早めに眠る。

目標も夢も無く唯只機械の様に働き続る日々。


どんな仕事をしていたか覚えていないから尚更今の忙しさが楽しくもある。


この状況を作り出した元凶である創造神とやらは許す気は無いが、その点だけは感謝しても良いかも知れない。


五日目には玄田を北砦に迎えに行き、ハンス商会で研修させるために預けた。マークスは引継ぎの後、王都に兵を連れて来る事になるので帰るのは更に十日は掛かるそうだ。

更に二日後にはビブリエ教国の聖都が見えて来たが教皇相手に切れるカードを増やす為に魔王との取引を先にする事にして、更に南へと進んだ。


そして魔王との取引の日、ライラがついて行くと聞かなかったのと屋敷に閉じ篭ってばかりも良くないなと思い連れて行く事にした。


魔王城の前に転移すると門番が直ぐに通してくれたのでそのまま進んで行くと正面の扉から謁見の間で見た牛頭と一つ目の鬼が殺気を振り撒きながら出てきた。


「お前等何のつもりだ?魔王の指示・・・・・って訳じゃねぇよなぁ」


「無論だ、我等の独断に決まっている」


「魔王様は貴様に手を出すならば出て行けと言われたのでな。最早我らは魔王様とは関係ない」


「・・・・・なるほどね・・・ひとつ聞かせて貰えるか?・・・・・お前等これからどうするつもりだ?」


「ハッ!知れた事。貴様等を倒し、あのオーガを倒す。更には人族を蹂躙し我が名を世に知らしめるのだ」


「おうよ!その後は仲間を集め魔王城をも攻め落とし、我らが世界の覇権を握るのだ!」


「やれやれ・・・・・ライラ、こいつら生きている事が罪でしかない害悪だ。魔王を待たせるのも悪いしサクッと殺っとけ」


ライラが「は~い」と軽い感じで返事をして前に進んで行くと俺の影から顔色の悪い男が出てきて俺の首に剣を這わせた。


「ハハハハハ!あんた迂闊過ぎだろ!敵地で護衛外すとか馬鹿な奴!おい!そこの獣人の娘!こいつの命が惜しかったらその剣を捨てな!」


顔色の悪い男を無視してライラは振り向きもせずに剣を両手に下げたまま前に進んで行くと顔色の悪い男が慌てた様に怒鳴りちらした。


「おい!お前!聞こえてないのか!それ以上進むとこいつの首を掻ききるぞ!」


「人の耳元で五月蝿せぇんだよ。相手の実力の解らない小物がぐだぐだと・・・あいつ・・・ライラは護衛なんかじゃねぇ、そもそも俺に護衛なんかいらねぇんだ。そんな鈍らでこの俺を殺れるってんならさっさと殺ってみな」


「チッ・・・貴様を傀儡化して人族の情報を集めようと思ったが止めだ。あの世で後悔すると良い!死ねぇ!」


顔色の悪い男が俺の首に当てた剣を一気に横に引くと「ギャリン」と金属を削るような音がして、その音と手応えに驚き目を見開いて右手に持った剣を凝視していた。

俺は首だけで振り向き肩越しに呟いた。


「それで終いか?」


俺の問いに我に返り距離を取ろうとした顔色の悪い男をアイアンクローで捕まえ、左腕一本で持ち上げると収納から次元刀を取り出した。


「くそっ!は、離せ!どのみち俺にはそんなもんは効かんぞ!」


「あぁ・・・・・やっぱり不死系か・・・・・傀儡化とか言ってたし吸血鬼とかか?。お前俺達が『試験場』を抜けて来たの知ってんだろ?冥府の王とか言う奴がどうなったか教えてやるよ」


俺が左腕で吊り下げたまま次元刀で横凪に切り裂くと顔色の悪い男は切り口から内側に吸い込まれて行く。


「ぐあぁ!なんだこれは!貴様何をした!」


「喧しいんだよお前は、とっとと消えろ」


掴んでいた手を放して振り返りライラの様子を見たが既に終わっていて、一つ目の男は左膝から下と首、牛頭は右足を根元からと首を斬り飛ばされて血溜まりに沈んでいた。

二人を倒したライラは剣を構えたまま入り口の扉を睨み警戒を解こうとしない。


「御疲れライラ。そう警戒しなくても良いぞ、あいつは敵じゃない。おい!何時まで隠れてんだ!出て来ないと扉ごと斬り飛ばすぞ!」


ライラの頭を撫でながら労い、扉の向こうに隠れている奴を冗談交じりに怒鳴りつけた。


「おいおい、止めてくれよ。あんたが言うと洒落になんねぇだろ。隠れてたのは謝るよ。ヘリングの野郎に手古摺る様ならと思ったんだが・・・必要なかったんでついな」


扉を開けて出てきたのは前の謁見の時に魔王の傍に居た赤髪の剣士だった。


「ハッ!あの程度の奴に後れを取るとか有り得ねぇだろ」


「まぁそうなんだが・・・・・しかしあのオーガと言いそこのお嬢ちゃんと言いとんでもねぇ奴ばかりだな」


「まぁな・・・そんであんたが案内してくれんのかい?」


「そんな訳ねぇだろ。俺は先に行くから、あんたらはそこの侍女に案内してもらいな」


赤髪の男はそう言うとひらひらと手を振りながら行ってしまい、脇に控えていた侍女が頭を上げると前回も案内してくれた侍女だった。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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