第六話魔物と聖獣はグルメである
魔物とは人を襲う生き物である。聖獣とは人々を驚異から守る存在である。生物とはいえ言い方は違う。確かに聖獣と魔物は別物だ。
「シロさん、聖獣って居るんですかね。」
「滅多にお目にかかれない神に等しい存在が聖獣だろ。」
「デスヨネー。」
もし仮にペットのお迎えって項目に聖獣居たら驚く所じゃない。失神する自信しかない。ペットは有り得ねぇから安心しろと言われましても!
「ジャムパン美味しかった。」
「シェル太っても知らね…おっと?!」
「すみません暴発しました。」
「笑みが怖い!!」
「リーダーが一言多いと思います。」
「シェル姉相手に一言多いのはどうかと思うよー。」
狼の牙の人達と共に歩いているとシロさんが私の前に出た。え、何?と思っていたら魔物っぽい生き物が出てきた?!
「赤オオカミか。」
「シェル!」
「はい!」
群れで襲ってきた赤オオカミをかわして斬っていく狼の牙の皆さん、さてシロさんは言うと武器を抜いていた。剣を抜いたっていうよりあれ刀じゃない?なんで日本刀???
「【暴風竜の息吹】。」
いやそれ魔法ぅ!?普通の人じゃ出せないやつー!?あ、魔法と剣の世界だから無問題か。にしてもなんで赤オオカミがやって…ん?なんか私を狙ってない?
「雇い主、魔物はグルメだ。美味そうなもんに目がねぇ。隠せ。」
「ナントイウコトデショウ。」
魔物はグルメかー、そうかー、って納得出来るかー!肉食とか草食とかあるでしょ?!なんでグルメ?!
「人間を襲うとしたら食事目当てが相場と決まってる。」
「グルメスギィ。」
「早くアイテムボックスに仕舞え。」
「ハイ。」
いや衝撃の事実、魔物グルメだった。まって聖獣ももしかしてグルメでは?と勘づいた私は慌ててアイテムボックスへしまったのだった。なんてことだ。このままだと神様もグルメってことになるぞ?
「神様の中には料理の神として崇められている神も居るくらいだからな。」
「マジですか。」
「大マジだ。」
皿洗いしようと思ってたのに。と思う暇もなく片付けを済ませると逃げ始めた。食い意地張りすぎでは?
「まあだから美味いんだがな。」
「だから美味いっていうのどうかと。」
「襲うくらい美味そうってことだ。結界張った方がいな。」
「そこの白い人の言う通りかと。」
「…ええ。」
そんな食に飢えてるのかと驚愕する暇もなく私達は場所を移動することに、魔物除けの結界を張って貰ったので次。あっさりしたものがいい。先ずはお米、塩、卵、味噌、葱を投入する。包丁の音と米が炊く音が聞こえる。土鍋で作ってるのか?と思うくらい。そして電子レンジの音が聞こえるとポンッと出てきたのはおにぎりと味噌汁セットだった。沢庵とお茶はオマケだと思いたい。狼の牙さんたちとシロさんの順番に配っていく。そして全員に行き渡ったのを確認していただきますをする。
「んー…」
日本人といえば塩むすび、沢庵、味噌汁、緑茶だよねー。甘くないから大丈夫だと思いたい。
「スープが暖かい。」
「落ち着くー。」
「これはあっさりした味だな。」
「昼の食事も十分手間がかかってますのにこれほど凝ったものまで…」
「いやー。」
スキルのおかげなんですが。にしても料理レシピの項目には卵と鮭を追加すれば違ったレシピになるのだとか。日本の朝食セットに早変わりするとか…謎過ぎるこの【牧場ゲーム】スキル。
「もしかして雇い主さんってユニークスキル持ちか?」
「コラ!」
「おいおいそれを聞くのは御法度だと言っただろ。」
「す、すみません!」
「…そうなんですか?」
「個人情報ですので…」
あ、そこはしっかりしてるのね。てっきりグイグイ聞かれるとばかりに…とは言ってもいいことを聞いた。スキル関しては個人情報ですのでと押し通せば問題ないということだ。
「そもそも身内に明かしていいものじゃねぇからな。」
「ユニークスキルってやっぱりレアなんですか?」
「ユニークスキルを持ってる奴はほとんど居ねぇ。俺の知り合いにも持ってるやつはそんなに居ねぇからな。」
「はぇ…」
シロさんの世界でもレアってことはあまり明かさない方がいいってことなのか。個人情報で益々押し通さないと…
「美味いもんを食べさせてもらった。」
「甘いものまで頂けて嬉しいですわ。」
「そこのアンタは反省しろ。」
「はい…」
「ならいい。」
この世界ではどうやらグイグイ聞くのは御法度らしいと言うことが分かった。とは言っても聞く人は聞くんだろうなぁと思いながら歩いていく。シロさんが立ち止まる。
「こいつは珍しい物を見つけた。」
「珍しい…?」
シロさんが言うのなら大概では?と思いながら見るとキノコだった、珍しい…のか?
「松茸だ。」
「レアだ!」
「珍しい茸を見つけたなお嬢さんたち。」
「ある程度採っていきましょうか。」
「賛成!」
「これって高いんですか?」
「マニアの間では高く売れる。」
「お、そこら辺は知ってるんだな。確かにマニアの間では高く売れる品物だ。」
松茸って美味いじゃん。と思いながらも取り過ぎないように収穫していく。10本あればいいか。群生地らしく松茸が多く茂っていた。そして気になる松茸を発見した。
「松茸が輝いてる?」
「癒し松茸か。そいつは食べただけで回復するって言う魔法の茸だ。」
そこはファンタジーなのね。と思いながらも1本収穫したった。容赦ないなと言っていても知らないフリをする。
魔物や食材が漢字が殆どなのは趣味です。




