第三話元OL、商人希望
牧場ゲームの何が楽しいって料理を作れるのがいいですよね。
どうも収穫しても疲れない身体になった元OLです。デメリットがないのが余計にチートなので外に出たら疲れるようになっていたらなぁと思っていたら美丈夫ことシロさんは野菜を眺めていた。
「かなりの量になりました。」
「何処にしまう気だ。」
「アイテムボックスの中へ。」
「あー…なるほど。」
そういえばシロさんって何処出身だろ。私と同じ世界?それとも…この世界?聞くべきかどうか悩んでいるとお腹が鳴っていた。アイテムボックスに収穫したものを仕舞ったので早速調理することに。やはりここは…色んな調味料を買うべきでは?塩、こしょうはタダで手に入る、砂糖は安く売られていた。加工品である調味料は売られてなかった。味噌、醤油、お酢などだ。そば粉、小麦粉、お茶も加工品とのこと。設備はどうなってるんだろと思っていたら加工出来る装置が置かれていた。調べてみるとマヨネーズ、ケチャップ、味噌、醤油、お酢、小麦粉、緑茶、紅茶、そば粉などが加工出来ると書かれていた。エンドコンテンツでは?と思っていたらそうでもないらしい。まあ確かにお酒も加工出来るから…ああ、ロックされてるってそういうことか。とりあえず次は卵の回収だ。卵をいくつか回収出来た。数えてみると30個もあった。
「生産系チート。」
「…とんでもねぇな。」
「言われそうで怖いんですけど。多く採れたとは言え半分は加工しないと。1000個は多過ぎる。」
「売り方分かるのか?」
「…聞いてみるか。」
という訳で早速売りに行くことにした。用心棒であるシロさんも連れてだ。私の身なりは完全に村人そのものだ。シロさんはどちらかと言えば冒険者っぽい風格。
「まだ冒険者じゃねぇ。」
「まだ?!」
「登録しておけ。税金かからねぇぞ。」
ふと思い出した。そういえばこの街に入る時税金かかった。銀貨2枚を毎回払うのはキツイ。ならば…えっと入れるかな。
「まあ入れるだろ。」
「と、とりあえず…門を潜りましょう。」
「ああ。」
門を潜り街に再び入ることに。シロさんは流石に初な為免除にはならなかった。冒険者になるのも視野に入れないと…早速商人ギルドへ向かった。
「何を売るんだ。」
「キュウリ、カブ、じゃがいも、小麦粉、イチゴのジャムですね。」
「あれらを売らねぇのは懸命だ。」
砂糖、塩、胡椒ですね分かります。あれらを売ったら絶対ろくなことにならないのは想像つくため売らないことにした。どのスローライフものでも砂糖、塩、胡椒は高値で買い取られて目立つなんて話はよく聞く。タダで手に入ると知られた日には…想像したくない。中へ入ると商人ギルドの登録をするべく受付嬢に話しかけた。丁寧な接客態度で百点満点の笑顔付きだ。
「何をお売りになされますか?」
「入手した品々を売りたいのですが…」
「…拝見します。」
ここで気がつくべきだった。ジャムは加工品。しかも砂糖を多く使っている。レモンも使ってるとなれば…それはそれは目立つことになると。箱詰めのキュウリ、じゃがいも、カブを五箱ずつ。瓶詰めにしたジャムが入った箱を二箱渡して中身を確認する職員たち。
「こ、これは…少しお待ちください。」
しばらくすると中へ通された。眼鏡をかけた恰幅のいい男の人が座っていた。私を見るやいなや立ち上がっていた。
「これらの品を売りたいというお方ですかな?」
「はい。えっとヒヨリっていいます。」
「では再び拝見を…これはカブ、キュウリ、じゃがいもですかな?にしては鮮度がいい…ふむふむ。素晴らしい手腕のお方ですな。これ程の品質、鮮度。高値で買い取らせて頂きます。一体どこで?」
「ちょっとお得に入手出来たもので。」
「おお、それは素晴らしい…深くは聞きません。商人にとっては入手経路を明かすのを嫌がりますからなぁ。」
良かった深いこと聞かれない。よしよし高値で売れるのはいいとして…ふと思い出した。そういえばイチゴジャムって大量の砂糖を…あ。
「こ、これは?!ジャム?!これ程の輝きを放つジャムは見たことありません?!」
「…パンにつけて食べてみます?」
「よろしいですか?!生まれてからというもの甘いものには恵まれたことはなかったとはいえ…こほん!では白パンに。美味い?!」
ですよねー。レモンも入れてますし。用心棒であるシロさんが辺りを見渡していた。大丈夫だと思うよ。わざわざ人前で殺すような馬鹿な人じゃないって。
「ふむ…この味わい。貴族の方が喜んで買いそうな品と安値で高品質な野菜たち。計金貨11枚でどうですかな?」
思ってたより高く売れたー?!野菜は合わせて金貨2枚、イチゴジャムは破格の金貨9枚という値段になった。いや高すぎない?1箱の中にはイチゴジャム30gの瓶詰めしてあるものが10個しか入ってないのだけども。
「あーえっと…金貨12枚は。」
「謙虚な釣り上げで。」
「あ、いえ!」
やめておくべきだったー!?と思っていたら交渉成立していた。嘘でしょ…一つ種銅貨三枚で買えたものが一気に化けてしまった。
「用心棒を雇うのはいい事ですな。」
「あ、あはは…」
本当に雇って良かったと心の底から思うことになるだなんて誰が思うのだろうか。
レベルアップするごとにやばくなっていくチートスキルってやばいですよね。




