#48 残り、1時間
はじめside
「えーと、おばあさんが犯罪者で、その童話管理館とかいう奴らとヤンキー赤ずきんさんはお話をしてきて、その中でおばあさんの罪を償ってね的な話があって……って、情報量がすごくて半分以上理解出来てないんだが!?」
あの後、ヤンキー赤ずきんさんから、情報の密度がえげつない話を聞かされ、自分らの状況なんてこれっぽっちも気にせずに話し続けていた。
にしても、頭が電球で出来ているやつがいたり、そのー童話管理館?とかいう聞き馴染みの無いものが出てきて、ボクは上手く話を呑み込めなかった。まず、なんで「赤ずきん」の花畑で倒れていたのかもわかっていないんだ。それなのに、もっと分からない単語が出てきたらますます理解できない。
「あとさぁ、お前なんか電球野郎に慕われてたけど、面識あんのか?俺らの罪が軽くなってんのもお前の影響らしいし」
「さあね。少なくともボクの顔見知りに電球アタマはいないよ」
ずっと座っている体勢がキツかったのか、ヤンキー赤ずきんさんはベッドに背中から寝っ転がった。そのせいで、一緒に拘束されているボクもベッドに倒れ込むように寝っ転がる。ボクと拘束されていることを忘れていたのか、と思うほどの勢いだったが、ヤンキー赤ずきんさんの方が子供なので大目に見てやる。
「あーあ。なんかもう疲れたわ。このまま寝れそう……」
「何バカな事言ってんのさ。早くグレーテル達のところに行かなきゃ」
呑気なことを言うヤンキー赤ずきんさんに呆れながら、ポンっと寝っ転がっている足を叩く。すると、げしっとその足で蹴られた。
そんないつも通りのちょっかいのかけあいをしていると、ボクはこの部屋で気になっていたことを思い出した。
ヤンキー赤ずきんさんの濃い内容の話ですっかり忘れてしまっていたけど、大切なことがあったじゃないか。
ここ、作りはおかしいが、“絶対に出れない”ようにはしていない気がする。探索をしている時に壁を叩き回ったことがあったんだが、その時、一つの壁だけ叩いた時の音が違った。これまではドンドンという音だったのが、そこだけコンコンと軽い音だったのだ。
つまり、その壁の裏側だけは空洞になっていると考えられる。空洞になっているというなら、壊してしまえばこの謎の空間からも出ることが可能になる。
まあ、壁を叩いていた時「何してんだコイツ」という目で見てきたヤンキー赤ずきんさんは気づいていないだろうけどね……。
「よーし、ヤンキー赤ずきんさん。ちょっくら手伝ってもらうよ」
「はあ?」




