表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変異童話  作者: 偃月作
第一章、ヘンゼルとグレーテル
44/47

#43 屋敷の中へ

「ぐふッ……」

「よっしゃ!畳み掛けるぞ!」

「ボクを殴った罰だ……って、や、ヤンキー赤ずきんさん?やりすぎじゃ…」

ドンピシャでボクの腕が鼻の辺りに当たり、鼻血を出して狼男が倒れる。

そこを狙ってヤンキー赤ずきんさんが狼男の腹を殴る。殴って、殴っ……やりすぎじゃね?

 

ということで、ボクが慌てて止めたが、その時にはもう狼男は気絶していた。なんか、さすがに可哀想だな。


「さて、静かになったし、さっさと屋敷の中に入ろうぜ」

先程の乱闘を終え、大人モードに入ったヤンキー赤ずきんさんに着いていきながら、門をくぐる。

くぐった先には庭園があり、きれいな花が栽培されている。

あれは……百合だろうか?でも、色が黄色だ。


ボクは花に詳しくないので分からないが、黄色い百合も栽培できるんだ、と少しびっくりしている。

「おかしいよな」

「へ?何が…?」

「気づかないのか?あの門をくぐってから、虫の1匹さえ見てない。さっきまでは鳥だって鳴いてた。庭園があるのに、そこに虫1匹湧かないってのも変な話だろ?」

言われてみればそうだ。こんなに沢山の花が咲いているのに、蝶々や蟻もいない。他の生き物たちもみんな、ここだけを避けているみたいにいなかった。

 

「開けるぞ」

ギィィ……と音を立てながら、屋敷のドアを開いていく。ノックも無しに良かったのか?と思ったが、仲間をこんなふうに(気絶させたのは赤ずきんさん)されているのだ。礼儀や遠慮はいらないだろう。

 

もしかして、ドアを開いてすぐに罠が…?そう思っていたが、現実は斜め上の回答をしてきた。


ガバッと勢いよく抱きついて来た少女、グレーテル。狼男を床に置き、グレーテルと目線を合わせる。

「ひむろ!ヘンゼルが、こわい魔女さんに捕まっちゃった…」

ポロポロと大粒の涙を零しながら、グレーテルは嗚咽混じりの声で話してくれた。

 

ボクらと同じくドアを開いた所までは良かったそうだ。少し雑談をしながら、歩いてドアの前まで来た。そして、ドアを開くと待ち構えていた魔女さんの妹。魔女さんたちは動くことすら出来なくて、何故かヘンゼルだけを連れて消えてしまったのだと。


「じゃあなんで、クラージュと魔女がいないんだよ。捕まってないんだろ?」

「探しに行ったの、ヘンゼルを。でも、全然帰ってこなくて……。でも、ここで2人を待っててって言われたから動くに動けなくて…」

グレーテルも一人で不安だっただろうに、よく待ってくれていた。普通なら逃げ出してもおかしくない状況なのに……。本当にしっかりした兄弟だ。

  

「んじゃ、ボクらもヘンゼルを探しに行こう?きっと、グレーテルの助けを待ってるよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ