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変異童話  作者: 偃月作
第一章、ヘンゼルとグレーテル
43/47

#42 パンくずリストの由来はここらしい

ーこれまでの事を説明中ー

 

 

「あの子供がヘンゼルとグレーテルで、仲間の魔女一人に、敵の魔女一人……か。数的にはこっちが有利っぽいけど…流石に手下とかいるだろうし、なんとも言えないな」

ボクはヤンキー赤ずきんさんの理解能力が高すぎてびっくりしているのだが、そんなことを言っても「は?お前ももっと考えろよ」みたいに怒られそうなので言わないことにする。

 

けれど、ヤンキー赤ずきんさんの言う通り、敵の多さが分かっていない以上、下手に動くのは危険すぎる。その上、数はこちらが多かったとしても、戦えるのは魔女さんだけなのだ。結局、不利なのに変わりはないだろう。

 

顎に手を当てて悩んでいるヤンキー赤ずきんさんを他所に、急に静かになった狼男の首根っこを掴む。重いし、このまま引きずるか……。

 

そう思っていた時だ。急に視界が一回転して、誰かに押さえつけられた。

「ぐッ…」

「はァ……はァ」

もちろん、狼男だ。頭を地面に押し付けられ、身動きが取れない。

魔女さんの魔法が解けたのか?そりゃ、ずっともつなんて思ってはいなかったが、想像以上に早かった。

「はじめ!?くっそ、狼の野郎!しっかりしやがれ!」

ヤンキー赤ずきんさんが狼男の腕を掴み、助けようとしてくれているのがわかった。それでも、狼男の腕はビクともしない。


どうにか、どうにかできないだろうか。狼男の動きを止めることが出来れば、会話することが出来れば、正気に戻すことが出来れば!

 

焦りとともに冷静さが失われている頭を、一旦落ち着かせる。大丈夫、多分こいつも殺しやしない。周りの景色を思い出せ。何があった?

 

木。そりゃ森なんだからあるに決まってる。

 

空。今日は凄く晴天だった。太陽がジリジリとボクらを照らし続けている。

 

小鳥。可愛い小鳥が木の上で鳴いていたな。そういえば、ヘンゼルとグレーテルのお話の中で、帰り道を見つけるためにパンくずを落としながら歩いていたけど、小鳥に食べられて迷うシーンもあったっけ。

 

……パン?そういや、ポケットの中に、お菓子の家で魔女さんから、個包装のお菓子を余ったから持ってってと言われたやつが入っているかも。

どうにかこうにか手を動かし、自分のポケットをまさぐってみる。すると、手の先に触れた袋の感覚。

(あった!)

その中で掴めるだけのお菓子を勢いよく投げ、ヤンキー赤ずきんさんに気づいてもらうため、モゴモゴと喋る。

「赤ずきんさん……あっち!」

「?、あっ」

良かった、見つけてくれたようだ。いつもの狼男の性格が少しでも残っているのなら、ボクなんかより食べ物に飛びつくだろう。

「おい、狼男!お前の大好きな飯はここだぞ?そんなやつより絶対美味い!」

絶対に要らなかったであろう一言を添えて、ヤンキー赤ずきんさんは大きな声で言った。狼男の耳もピクリと反応を示し、腕の力が一瞬緩まった。

 

その一瞬を狙い、俺は狼男の顔面に向かって拳をぶつけた。

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