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『葉っぱひとつ残すんじゃないぞ』
オレに当てがわれたのは庭掃除だった。
なんか小学校での数少ない登校日に校庭掃除をしたことを思いだす。
ちゃんと竹箒としての機能を維持しているのはほんの数本で、そんなことを知るよしもないオレは出遅れ、掃くたびに柄が穂の中に落ちていくやつを使うしかなかった。
(それより悪いじゃねえかよ)
そもそも箒とは呼べないくらい穂がなくて、間から柄ががっつり見えている。
当然葉っぱを集める能力はほぼ皆無だ。
「おっ。ヤシチ、サンキュー」
つむじ風があっという間に落ち葉を山にする。
チカについていこうとした三匹はぬらりひょんに弾かれたらしく、オレたちの居た座敷に残された。
それでこうしてオレたちにくっついているというわけである。
頭を撫でるとヤシチはえっへんと胸をはった。
あとは、ごみ袋に入れるだけだ。
ここだと麻袋か?
「袋とかってありま……」
オレを見張る鬼にたずねようとした瞬間、落ち葉の山がばあっと散る。
『鼻がむずむずしてくしゃみが出ちまった』
(いや、わざとだろ)
しらじらしく鼻の下をこする鬼に怒りが湧く。
『ぴいいいいいっ!』
「わあああ! やめとけヤシチ!」
カマ全開で鬼に飛びつこうとするヤシチを空中でキャッチする。
相手はゴリマッチョの鬼だ。
ひとつかみで食われるのが目に見えている。
『なんだよ。さっさと集めないと終わんねーぞ』
「今やりますからっ!」
じたばた暴れるヤシチを必死になだめて、オレはまた箒を握った。




