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「また難しいカオして。そのチカって子は司ちゃんのなんなんでありんす? いいひとなんでありんすか?」
すねた口調でチカが迫る。
「ああ、えっと幼なじみっていうか」
いや、幼なじみ以外のなんでもないんだけど。
これまでとは異なる気迫にオレは無意識に後ずさった。
「あちきとチカって子と、どっちが大事なんでありんす?」
オレが後退した分距離を詰められる。
白粉の匂いが一気に強くなった。
どんどんと鳴ってる花火と共鳴して心臓がはねまくっていた。
真っ白な視界の中に黒い睫毛が躍っている。
唇にはやわらかい、マシュマロみたいな感触があった。
漆黒に広がった火花が散って零れるみたいに、鼓動が全身に浸食していく。
「あ、紅がついたでありんす」
悪戯っぽく笑うとチカは小指でオレの唇をスッと撫でた。
その小指を自分の口元に当て、怪しく微笑む。
白い小指から覗く赤い筋に、オレは目が離せなかった。




