表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

88/129

12

「これ、雪女の吹雪に何をかけてるでありんす? 真っ赤なのは血でも混ぜてるんでありんすか?」


「これは、かき氷ってやつで氷を削って色つきの甘い蜜をかけてあるんです」


 チカが毎年食べている露店メニューをひとつずつ試すことにしたオレは、次に、いちご味のかき氷を選んだ。


 記憶がないにしても見た目に対する感想が怖すぎる。


 まだ、こっちの世界の住人になりきってはいないのに、人間味が薄れている気がした。


「甘―い! 冷たくてしゃりしゃりしてて美味しいでありんす」


 実食後の感想は普通で安心する。


「蜜だけ吸うと甘くないとこが残りますよ」


 ストローでシロップを飲むチカに、かき氷あるあるを注意した。


 ガキの頃オレがよく言われてたんだけども。


「じゃあ残った甘くないところは司ちゃんが食べるでありんす」


「エ?」


 とかなんとか言ってる間に氷の色がピンクになって、とうとう色が抜けおちてしまった。


 押しつけられたかき氷は、すっかすかの水分が飛んだ日陰の積もった雪状態になっている。


 ……関節キス・リターン?


 チョコバナナと違って細かい粒の集合体だから、ストロー以外は、そこまでじゃない。


 いや、ストローで飲んでるってことは唾液とか入ってるし、だからもっと深い(?)んじゃ?


 煩悩で、もんもんとしつつ、オレは、ほぼ無味になってる氷粒の集合体をぐるぐるかき混ぜていた。


「わ。舌が真っ赤になってるでありんす」


 懐から手鏡を出したチカが、いちごシロップに染まった舌に目を見開いている。


 高飛車なくせに、こういうドジっぽいところが可愛いって思ってしまう。


「時間が経てば元に戻りますって」


「だったら次に行くでありんす」


 元に戻ると聞いて安心したのか、チカはオレの腕を引っ張った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ