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「お待たせ。あー至福至福」
ご満悦なマサノリが走ってきてひとり余韻を噛みしめている。
「そりゃよかったな。美女たちに囲まれて」
「全員レアキャラだったよ」
じとっとしたサクにもマサノリは、けらけらと答える。
なんかキャラが入れ替わっているみたいである。
「ああ、そうだ司。骨子さんと氷子さんから出口の鳥居の位置と露店が出てる場所を教えてもらったんだ」
(骨子さんと氷子さん?)
どうやら骸骨女子と雪女の個人名のようだ。
「それなら、念のために出口に行ってみないか?」
「けど、ジジイいわく人間じゃないと出られないんじゃん」
「位置確認だけでもしたおいた方がいいと思う。ボクたちはこの世界に慣れていないし、とっさの時には行動が難しくなる」
乗り気でないサクをマサノリが諭す。
いつもの立ち位置に戻って正直ほっとした。
「ここからまっすぐ一本道をずっと行った先が鳥居だって」
マサノリの指差す方向を見ると、どこまでも続く長い道があった。
* * *
「京都の通りみたいだよなぁ」
長い道を歩きながら、サクが周囲を見渡す。
道の両側には、揃えたように同じ高さをした家らしき建物が並んでいた。
すり足で歩くしかないチカに合わせてゆっくり進むため、あちこちをじっくり見ることができる。
丸薬を飲んで正解だった。
廓の隔たれた空間内では、狭い分妖気が凝縮されていたけれど物の怪の収容数も限られている。
外は物の怪の数も桁違いに多くて限りがない。
広ければ薄まってもいいものなのに残念ながら妖気も底なし沼だ。
(どこに行っても死にかけるの決定だな)
マジで死んだりして。
お盆中に死ぬとか都市伝説のネタにされるんだろうな。
あちこち鬼火も浮遊していて朱塗りの燈篭も建っているから近所の通りよりも明るい。
場所が場所のせいかそれが薄ら寒く感じてしまう。




