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「なんでありんす? ひゃあ色が変わって……え? あちきの顔が映ってるでありんす?」
操作するたびにチカから感嘆の声が上がった。
欲しかったおもちゃをゲットした子供みたいだ。
「生き写ししますから、もっとオレの方にくっついてください」
インカメラに設定してスマホの画面を自分たちに向ける。
「本当にあちきが映ってるでありんす! 魂抜かれないでありんすか?」
魂が抜かれるって、いつの時代だよ。
「だいじょうぶです。鏡に映ったって魂抜かれないでしょ?」
ぎゅっとしがみついてくるチカをなだめれば、彼女はそっと顔をあげた。
「か、鏡みたいなものでありんすか」
涙目になってて少し化粧がくずれている。
(なんか可愛い)
ずっと高飛車な態度だったから妙にきゅんとしてしまった。
これってギャップ萌えっていうのか?
「司。早くシャッター押せよー」
サクとサカキがあきれ顔で座り込んでいた。
「今撮るから! いきますよナヲさん。動かないでくださいね」
シャッター音が鳴った直後、スマホの画面にオレと彼女の顔が画像となって表示された。
「ひゃあっ! 本当におにいさんとあちきの生き写しでありんす」
はしゃぎまくる彼女に嫌でも鼻高々である。
「生き写しは分ったでありんす。あのおにいさんがきらきらさせてたのはできるでありんすか?」
チカの指差す先には、マサノリに、撮影会と化した物の怪(おそらく女性ばかり)の長蛇の列ができていた。
列をさばいているのは骸骨女と雪女である。
「あいつ絶対物の怪の彼女作りそう」
サクはその辺りに落ちてた枝でがりがりと落書きをしていて、サカキもカマで地面をがりがりやっている。
……微妙にいじけて見えるのは気のせいだろうか。




