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「このさい偽小判作るとか?」


 予想通りと言えば予想通りの結果に、だらだらと元来た廊下を歩く。


「偽金なんて専門の技術がないとできないよ。道具も材料もそろえるアテがないし時間もない」


 サクの提案をマサノリが却下した。


「んじゃ円に換算すると、どのくらいになんの?」


「スマホがイカれてて検索できない」


 マサノリの言葉にオレとサクもスマホを取り出し検索アプリを起動した。


 ……電波受信不可のテレビ画面のごとく雨が降っていた。


『見て見て。あんなに若い人間様のおのこ。久しぶりねぇ』


『かわいい~! 早くこっちに染まっちまえばいいのに』


『時間の問題よ。なんたってあと三日もないんだからね』


 姿は見せないけれど、オレたちを囲む視線が三百六十度から感じる。


 肌の表面をなぞるだけの視線じゃなくて、腹の奥底というか、体の内側から覗かれているような感覚だった。


『ごちそうは我慢したほうが、ずっとおいしいからね』


 内臓に振動するような陽気な声に、色々な意味で背筋がゾッとした。





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