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「つってもさぁ、どうすりゃいいんだ?」


 サクが通常モードで白旗をふる。


 意気込んで作戦会議を始めたものの、開始数秒でオレたちは行きづまってしまった。


「盆明けまでに出る必要があるけど、チカ先輩が元に戻らないと出られないからね」


 しかも身請けと水揚げされたら即ゲームオーバー。


(これって完全に詰んでないか?)


 一致団結したはいいけれど、解決策は何もない。


 当の本人はお行儀よく十枚重ねの座布団に正座している。


 人形みたいに、ぴくりとも動かない。


 徐々にそんな彼女にも慣れてきて、様子をちらちら見ていると「何を睨んでいるんでありすか?」と眉毛をつりあげてきた。


「す、すみません」


 思わず敬語で謝り、オレはサクとマサノリの方に向きなおった。


 化粧のせいか余計に大人っぽく見えて、二十歳くらいにも感じてしまう。


「あっ! 時代劇とかでよくあるじゃん? 吉原で身請け~みたいな。それをオレたちでやればいいんじゃん?」


 閃いたサクが提案する。


「理屈の上では通るけど」


 マサノリが口元に指を当てた。


 物の怪相手では、まず人間の理屈は通用しないと考えていい。


 動物よりも本能で行動する質の悪い連中である。


「建物内の様子を探るためにも楼主に話してみないか?」


 脱出可能だとしてもオレたちはこの世界のことに疎い。


 周囲の状況を把握する必要がある。


「えーと……。あの、ナヲさん?」


 オレがぎこちなくたずねると、貼りつけた笑顔で返された。


「なんでありんす? 目つきの悪いおにいさん」


(なんか、口うるさいのは変わらなくないか?)


 廓の者としての素養があるなら、偉いヤツの居場所も知っているはず。


「楼主ってどこにいますか?」


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