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(温泉旅館っぽいけど。それにしては毒々しい)
やたらと朱色が建具に使われていて、こう……。
「おまえらの普段いる世界じゃ警察で説教されるだろうよ」
オレの疑問に答えるみたいにシロガネの声が落ちてきた。
天井板を一枚外し逆さまに顔を覗かせている。
「姿見えてたら、おまえが通報される側だろ」
「タラレバほざいたって、なんにもなねぇよ」
鼻で笑うと重力完全無視で枕元に降りてきた。
ただ、その言葉通りの雰囲気しかなくて不安になる。
脳内で“R18“という文字が消えたり浮かんだりした。
「じじいの言ってること合ってるかも」
オレと同じことを感じているのか、サクが正座したまま仏像みたいになっている。
一方マサノリは、あぐらをかいてスマホを見ていた。
彼が落ち着いているなら普通の旅館なのか。
「廓。遊女の置屋なんだよ」
「……。はっ? 置屋って」
あまりにも、さらっと場所の名前を告げられたため、理解するまでに時間差があった。
なんかよく時代劇に出てくる、あれ?
借金のカタに女性が連れてこられてっていう?
なんて場所に連れてくるんだよ。
「クソジジイ! なにてめぇの趣味の場所に連れて来てんだよっぶっ」
「やかましい。」
顔面にシロガネの足の裏がぶち当たった。
「せっかくチートにしてやったってのに。礼は言われても悪態つかれる覚えは無ぇな」
(チート?)
ってことは最短ルートってことだよなぁ……。
でも、このクソジジイの言葉を鵜呑みにしていいものかと息が詰まりかける中で思った。




