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 もっと早くに起きるべきだったと痛感する。


 今日は盆入り。


 玄関から一歩外に出れば通勤ラッシュ並みの物の怪に遭遇した。


 ただでさえ寝坊したというのに、除けようとしてもこの数では不可避だった。


 学校に着くと、昨日サボったサクたちといっしょに教師から大目玉を喰らう羽目になった。


 朝食抜き、盆入りで物の怪が増えている、サウナ状態の教室。


 最悪な条件が重なって、案の定オレは補習開始十分で保健室送りとなった。


            


            * * *




(だるい)


 濡れタオルを被ってるぶん、首の周りは冷やっこい。


 だが頭上からの直射日光と下からの照り返しが容赦ない。


 保健室で休んだ後、昨日と同じくオレは早々に帰路についていた。


 なるべく日陰を歩こうにも道に立っているのは電信柱ばかりだ。


 頭のてっぺん部分のタオルは、ほとんど生乾きの洗濯ものになってる。


 無意識に視線が下がってしまう。


 足元のアスファルトがまぶしくて目がチカチカする。


 喉が渇いて持っていたペットボトルを飲んだ。


(鶴亀堂で、もう一本買っていくか)


 残り半分になったスポーツドリンクを見てそんなことを考えていた。


 通学路の途中にあってラッキーだった、とキャップを閉めて顔を上げた時だった。


 前方に黒いもやが漂っていた。


 よりによって進行方向かよ。


 オレは脇道へ走った。


 遠回りになるけど、あんなのに憑りつかれるよりは全然マシだ。


 体力が落ちまくっていて足がもたつく。


「はぁ、はぁ」


 ちょっと走っただけで息があがった。


(脇腹痛ぇ)


 立ち止まり息を吸って吐くをくり返す。


 ぼたぼたと汗が地面に落ちた。


 空気も暑いし内側からも熱が噴き出る。


 汗を拭こうと首に手をやるもタオルがない。


 さっき落としたのか。


 仕方なくシャツの裾で拭うが、こちらも汗でぐっしょりになっている。


 タオルはチカに借りればいいかと思いながら顔を上げたら、ぱさりと何かが頭に乗っかった。


 感触はタオルっぽい。取ってみると、それは裂かれてボロボロになったオレのタオルだった。


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