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八月十三日
頭にキンキン響くスマホのアラーム音で飛び起きた。
「いったっ」
その拍子にオレは椅子から転げ落ちてしまった。
頭も体も寝ていたから身構える余裕もなく、もろに床に倒れたせいでかなりの衝撃がある。
(やば)
起き上がろうとして解答欄が真っ白な印刷物の海が目に入った。
どうやら寝落ちしたようである。
(というか、今何時だ?)
腰を撫でながら立ち上がり、スマホのアラームを止めた。
「十時⁉」
表示される時刻に眠気が吹っ飛ぶ。
やばい。補習は九時からだ。
散らばる白い紙をかき集めて鞄に突っ込み予備の制服に着替えた。
スマホを手に取ったらSMSにチカからの新着メッセージがあった。
『おばあちゃんから買い物頼まれた。補習に行けなくなった』
別にチカは補習に出なくてもいいのだから、断りは必要ない。
続けて『イッテンシカイに物の怪を返すときはちゃんといるからね』ともうひとつのメッセージがきていた。
「まーた乳繰り合ってるのかよ」
「うるせぇ。いちいち覗くな」
すっかり存在を忘れていたシロガネがニヤついている。
こいつも物の怪ではあるけど気配を常に消しているから、びっくりすることが多い。
スマホをズボンの後ろポケットに入れてオレは大急ぎで家を出た。




