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「勝手に神隠しにあった人物の子孫が、会長の店で何やってんの?」


 なんで同じ学校の生徒なのに、お役所臭がするんだろうか。


 オレの後ろに立っていたのは生徒会メンバーの五人だった。


 ちなみに全員男だ。


「だから会長が変なうわさ立てられるんだよ。幼なじみだからって出しゃばるな。自嘲しろよ」


 ぴくり、と眉が動いた。


 “勝手に”の部分は激しく同意する。


 でも、事実を知らない人間にチカとの関係性をとやかく言われたくない。


 彼女は目鼻立ちが、はっきりしていて美人系だ。


 神隠し現場の所有者の娘ということで陰口を叩くヤツもいる。


 そこがまた巫女さんみたいにミステリアスで素敵とファンも多いのだ。


 遠巻きにされる彼女の味方面をすれば、今度は自分が同じ扱いを受けてしまう。


 生徒会の名目があれば、堂々とお近づきになれるというわけである。


 正直殴ってやりたいくらいだけれど、人数的にも体力的にもオレは圧倒的に不利だ。


 ひたすら拳を握って怒りを潰そうと必死だった。

 

「それを言うなら司は被害者側だから。この子のひいおじいさんが神隠しにあった現場は裏にある鳥居。ご意見は加害者側のわたしにどうぞ!」


 でんでん太鼓を打ち鳴らして店からチカが出てきた。


「会長! 我々は彼に校内の風紀について改善を申し入れただけで」


 生徒会メンバーはチカの姿を見るなり、神でも現れたかのような恍惚の眼差しになった。


 副会長っぽいヤツが言い訳するも、チカは耳を貸さない。


「彼がいつ風紀を乱したの? というかそれって風紀委員の仕事でしょ」


「ああ、いえ。我々の誤認でした! 失礼します」


 崇拝対象に追及され副会長たちは逃げていった。


「アイドルの迷惑ファンかっての。解散総選挙まっしぐらかもね」


 小首をかしげるチカが半目になる。


「別に放っておけよ。ファンなんだから扱いやすいんだろ。いつも近所のばばあどもだってスルーしてんだから」


 彼女はメンバーの下心も把握していた。


 自分に好意を持っている人間のほうが何かと便利なのは言うまでもない。


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