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下着が透けたりとか冗談じゃない!
妙な使命感で幼なじみをタオルでガードしていると、「汗臭いっ!」とチカは払いのける。
「いきなり何するのよ!」
なんで怒られなくてはならないのだろうか。
状況が飲み込めず唖然としていたら『ぴぃいいいい』とカン高い鳴き声が耳を突き抜ける。
「ごめんねヤシチ。司がラムネかけちゃって」
チカの頭に乗っかっていたヤシチが、ぶるぶると全身を震わすと、べたつく水滴が飛んできた。
どうやら、こいつの体毛が一滴もらさずラムネを吸収したらしい。
「司もヤシチに謝ってよ」
「ごめんね。ヤシチ」
真顔で棒読みする。
皮膚を伝うラムネ入り汗とともに心の涙も落ちていく気分になった。
「すっかりなついちゃいましたね。かまいたち」
ペット化した、かまいたちにマサノリが感心する。
「すっごいお利口さんなんだよ。一回でお手もおかわりも覚えちゃったんだから」
ミニサイズのカップ麺をすするチカが自慢げに言うと、三匹は地面に一列に並んだ。
「よしよし。昨日の特訓の成果を見せようね。ばん!」
チカは指鉄砲を作ると打つ真似をした。
かまいたちは器用にこてん、こてん、こてんと倒れる。
「すっげ。犬みたいじゃん。よーし、これやるよ」
サクが差し出したソース味のスナックを三匹は満足げに食べた。
気に入ったらしく、ぴぃぴぃ、とおねだりする。
「うお! かわいい」
「ね。かわいいでしょ。明日還すって考えると、さみしくなっちゃって」
チカからも棒状のチョコを付けたビスケットをもらい、三匹は、はしゃぐ。
前足でビスケットを持ち、口の周りをチョコで、べたべたにしてかじっている。
「お手! おー! かしこいなぁっ」
(昨日、思いっきり蹴られたとか言ってなかったか?)
三匹はカマの付いた前足を、ぽんっとサクの手に同時に乗せた。
目を輝かせるサクにオレは冷めた視線を送った。
サクとチカも微妙に電波状態が似ている。
「いくら見た目が小形動物だって、物の怪に変わりはないんだからな。いっ――?」
ぼやいた瞬間、左手に切られたような痛みが走った。




