25
「司は鳥居から何か感じるんだろ?」
顔を上げたマサノリが、頼みの綱と言わんばかりの眼差しで見つめてくる。
「ああ、うん。近寄んないほうがいい。まじで」
「それって物の怪の出入り口のせいなんだろ?」
サクがスナック菓子の袋を振って、底にたまったカスを口に流し込む。
「たぶん・・・・・・。オレもそこまで“分かる“ワケじゃないから」
ただ物の怪の気配に過敏なだけであって、だいたいの強度しか分からない。
とりあえず、あの鳥居はヤバイとしか言いようがなかった。
「火のない所に煙は立たぬ。科学が発達していなかった昔は事件や災害が起きると物の怪の仕業とされていた。だからイッテンシカイだって何か元になったものがあるはずだ」
「おまえってオカルトマニアなのか、科学マニアなのか時々ワケ分かんないよな」
サクのツッコミを無視してマサノリは持論を展開する。
「神隠しは天狗の仕業とか言われてきたし、石碑の内容からイッテンシカイは物の怪の名前かと思ってたんだけど。シロガネさんの話だとイッテンシカイっていう世界から物の怪がやってくるってことになってる」
ふと、脳裏にクソジジイとの会話が過った。
『じゃあ、その物の怪が神隠しを起こしているのかよ?』
『雑魚はただこっちに来るだけだ』
アイツの言うことを丸々信じるわけじゃない。
でも、もし物の怪の仕業なら、今頃行方不明者が続出して、もっと大騒ぎになってマスコミとか湧いてるはずだ。
「よくある躾のための言葉なんじゃないの? 遅くまで遊ぶなーっていうヤツ」
サクが珍しく現実的な指摘をする。




