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「おー来た来た」


「待ってたよ」


 目的地である駄菓子屋・鶴亀堂つるかめどうにサクとマサノリがいた。


「いいのかよ。サボって」


 よしずの陰になってるベンチでもたれかかっている。


「あんなあっちぃトコで勉強なんかできるかっての。前途ある若者のために全教室にクーラーの導入を進言する!」


「サクはクーラー入ったら即寝じゃん」


「マサノリだって人のこと言えねーじゃんか」


「進級できなくなっても知らないぞ」


 オレの入学式での予想は見事に的中していた。


 手持ちの偏差値よりも高過ぎる高校に入ったふたりは補習常連組になっている。


 受験時だけは一時的に上げたみたいだけど、持続不可だったようだ。


「そういう司だっておれらのこと言えねぇじゃん」


「じゃあ、ふたりの体力を半分ずつ交換してくれよ」


「ボクたちは成績。司は出席日数が足らない。お互いのステータスをシェアできれば平和に過ごせるよね」


 ないものねだりのくだらない話をするのも日常になっていた。


 サクとマサノリには悪いと思いつつ、正直こうやって話せる友達がいて嬉しかったりする。


「三人とも仲良く留年になっちゃったりしてね」


「笑えないっつの」


 店の鍵を開けるチカが悪戯っぽく言った。


 この鶴亀堂は彼女のばあちゃんがやっている駄菓子屋だ。


 強盗を竹ぼうきで撃退するほど元気なばあちゃんも、寄る年波には勝てず、先日熱中症で救急搬送されてしまった。


 その間、チカが代わりに短時間だが店番をしているのである。



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