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“イッテンシカイ。神隠しの謎”
表示された画面にはそんなタイトルの記事が載っていた。
トップページにはあの鳥居とそばにある石碑が映っている。
「マサノリはオカルトマニアでさ! 昔っから心霊写真とかUFOの写真撮ろうとしてんんの」
納得。やっぱりオタクだったのか。
だから神隠しの遺族のオレを助けたってわけか。笑える。
「イッテンシカイのことを調べたくて、偏差値上げてここ受けたんだ。できれば後で神隠しのこと詳しく聞かせてもらえる?」
一応表面上は丁寧な物言いだ。
(こいつ面倒くさそうだな)
サクのほうなら適当にごまかせそうだけど、マサノリはこの手の話に詳しそうだし下手なこと話したら延々とつきまとわれる。
寝たふりしよう。
体育館で物の怪の気配にやられてふらふらだし会話するのも億劫だ。
感じ悪いとは思ったが腕で顔を隠して目を閉じた。
「なぁに狸寝入りしてんだよ。クソガキ」
愉快そうな声がしてオレは腕をどけて周りを見回す。
「初めてお友達ができそうで舞い上がってましたってか?」
マサノリたちとは反対側にクソジジイの顔があった。
頬杖をついて何かを企んでいる目つきに見える。
「こいつら耐性も結構あるな」
シロガネは飛ぶように、ふたりのそばに移動した。
見えないのをいいことに、じろじろと物色している。
嫌な予感しかしない。
「喜べ。お望みどおり仲間ができたぜ」
シロガネの手がふたりに近づく。
「やめろっ」
そう叫んだつもりだった。
布団から這い出ようとしたけど、体は鉛みたいに重くて手を伸ばすだけで限界だった。
「司! 体はだいじょうぶ?」
目の端にチカの姿が入り込む。
(なんでこんな時に)
オレがクソジジイに気を取られている間に入ってきたんだろう。
「来るなっ」
彼女を突き飛ばそうとしたオレはベッドの上で倒れ込んだ。




