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「サクは見たまんまだよ」
「見たまんまって、マサノリだっていっしょじゃんよ」
緑川はサク、赤井はマサノリと呼びあっているようだ。
結局オレのことを知っているということで口も重たくなる。
何も言いたくない。
「オレら外部からの受験生なんだけど」
珍しい。
一応市内では、この高校は進学校になっている。
全国的には、そんなでもない偏差値だが。
「マサノリがここ受けるって言うからいっしょに受けたけどさ。ぎりぎり入れてまじでよかった」
あの問題が、ぎりぎりということは補習組確定だな。
(オレもそうだけど)
原因は違うが、思わぬ共通点に、ちょっとだけ妙な仲間意識が芽を出す。
当初は、もっと偏差値の高い他県の高校を受験しようとしていた。
受験日当日に寝込んでしまい会場に行けず。
その他のすべり止めも会場に向かう途中で事故に巻き込まれたり、熱を出したり。
なんとか会場に、たどり着いても原因不明の体調不良で保健室行き。
ことごとく希望は潰れてしまった。
本当に本当の最後に残っていた地元のここしか受けられなかったのだ。
なんの呪いか、ここを受験するときは体調も良くてトラブルにも遭遇しなかった。
試験問題も余裕で解けた。
結果は三位以内だったらしい。
「無理してついてこなくなっていいのに」
「はぁー? 我らの友情はそんな薄っぺらいものではないだろう」
あ。サクが勇者モードに入った。
しかし、マサノリはスマホをいじっている。
いつものことなのだろう。スルースキルが半端ない。
「オレがここ受けたのは、これなんだよね」
マサノリがスマホの画面をこちらに向ける。




