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「お。気がついたか我が友よ! 治癒師の家はもうすぐだからな」
厨二病は顔を上げたオレに勇者っぽく話かけてきた。
軽そうな髪がハイテンションな中身とぴったりだ。
「サク。いい加減にしろよ。ごめんね、やかましくて。保健室に向かってるから」
もうひとりが補足とフォローをする。
落ち着いた声のもうひとりはメガネにやや長い黒髪をしている。
なんていうか、オタクっぽい。
支えてくれているふたりはオレを挟んで普通に会話している。
やっぱり個人的な趣味だったようだ。
「せんせぇー! 病人って、いないじゃん」
保健室のドアを思いっきりすぱーんと開けた厨二病。
さっきまでの勇者みたいな台詞ではなくなっている。
おそらく、こっちが普段の口調なんだろうとベッドに降ろされながら思った。
「気休めだけどないよりマシだと思う」
ぺたり、と額にひんやりした物が乗せられる。
もうひとりのオタクっぽいほうが、冷蔵庫を物色したらしく、ジェルタイプの冷却シートを貼ってきたのだ。
心霊現象に物理的な干渉は効果がない。
でも、重たい頭には気持ちいい。
気持ち悪さから解放され、ほっとしたら瞼が落ちてきた。
「オレは赤井雅紀。君、雨宮司くんだよね?」
自己紹介ついでにフルネームを呼ばれて、びくりとなった。
(ああ、そうだよな・・・・・・)
知っていないはずがない。
助けてくれたから、なんかイイヤツって思ってた気持ちがしゅーっと沈んでいくのを感じた。「なになに自己紹介? おれは緑川朔太郎」と厨二病も割り込んでくる。




