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6

「サク。悪ふざけしてないでちゃんと、そっち支えろよ」


 もう片方からは落ち着きをはらった声が聞こえてきた。


「すぐに闇魔法を祓う処置を行うからな!」


 サクと呼ばれた厨二病なヤツはめげずに己の道を突っ走っている。


 ふざけた内容とは逆に、そいつはオレの腕を肩に回して、がっちり持っている。


 言葉とは裏腹にイイヤツだなって少し見直した。


 数秒前の罵りを猛省する。


 周りがものすごくざわついているのを気配で感じた。


 生きてるヤツも。


 そうじゃないヤツのも。


 そりゃ、浮きまくってる人物がいきなり倒れて、肩を貸す相手が現れたら、どよめきも、すさまじいだろう。


「これは重症だな。魔のエネルギーが体中に浸食している」


 さすがに人の体調の悪さを個人の趣味の設定に使われるのは気分が悪いけれど、聞かないふりをしよう。


 これ、相当面倒なのに当てられたな。


 脳みそがぐちゃぐちゃにかき混ぜられているみたいだ。


 クソジジイ、絶対いるくせに少しは手を貸してくれたっていいだろうが。


 ざわざわとした周りの音が、やや離れたから、今は体育館の出口に近づいているのだと思った。


「魔物の毒気にやられただけだからな。安心しろよ」


「……」


 思考力も下がりまくっているせいか、“もしかしてこの厨二病も視える体質なのでは?“ と思いたくなった。


「最近のガキは妙なモンばっかだなぁ」


 一番イラつく声が不安定な意識を一気に浮上させる。


 ふらり、と頭を持ちあげれば、狐耳を生やした着流し男がこちらを向きながら目の前を歩いていた。


 相変わらずニヤニヤした顔で。


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