2話 天国にて
異世界転生前置き回です。
目を開くと白だった。
ただただ白い部屋の中に横たわっていた。
「気が付きましたか」
声のする方を振り向くと、女性が立っていた。
しかし、不思議とこちらからは顔や姿がぼんやりとしていて、
女性だと判断できたのは声だけだった。
倒れた後遺症で目がおかしくなっているのだろうか。
「はい。ところでこちらはどこでしょうか?
確かグラウンドで熱中症で倒れて……」
そこからの記憶はない。病院だろうか。
「どうか気を確かにしてお聞きください。
ここは死後の世界。
あなたは熱中症で先ほどお亡くなりになったのです」
ん?
「私は地球を担当する者の一人。
神様、といった方が分かりやすいでしょうか?」
ぱーどん?
「若くしてお亡くなりになったあなたには、
地球とは異なる世界に生まれ変わって頂きます」
……総合すると、テンプレ異世界転生です、どうもありがとうございましたっ!!
「そうなんですねっ!
それでそれで転生先はどんなところですかっ?
魔法は使える世界ですかっ?
自分も魔法使えますかねっ?
それと赤ん坊から生まれ変わる感じですかっ?
できれば今の年齢のまま送ってくださるとうれしいですっ。
あと、チート能力をもらいたいですっ!!
それから「ちょっと! 落ち着いてください!!」」
おっと、舞い上がりすぎてしまった。
「申し訳ありませんでしたっ!」
「落ち着いてくだされば結構です。
理解が早いのは、こちらとしても助かります。
先ほどの質問に答える形になるかと思いますが、
詳しい内容をご説明させていただきますね」
……神様の説明を要約すると、
(1)転生先は異世界転生ものでおなじみの、剣と魔法の世界
(2)そのままの姿形で生まれ変わる
とのこと。
(3)チート能力についてだが……
「あなたに授ける能力は、水魔法の適正です」
「えっ、それだけですか?」
神様の前にも関わらず、言葉が出てしまった。
というのもよくある「チート能力」とはかけ離れていたからだ。
魔法チートだったら、魔法チートで全属性適正とか、
魔力1000倍とかをイメージしていただけに、
「水魔法」のみというのは落胆が大きかった。
「大変申し訳ございません。
ですが転生時に与えられる能力は、死の間際に強く思ったことなのです。
例えば、もっと色々やってみたかったと願われれば、全属性適正に。
もっと出世したかったと願われれば、成長率10倍に。
といった具合になるのです。
河田様の場合、水を強く望まれましたので、
いつでも水を出せる水魔法への適性が能力して身に宿るのです。」
なるほど、何やら決まりがあるようだ。
とはいえ、これから向かう世界を考えると、
少しでも、もらえるものは、もらっときたい。
「水といっても何かもう少し、特典頂けないでしょうか?」
「そうですね……
そういたしましたら、水インベントリと水鑑定もつけさせて頂きます。
サービスですよ」
何だろうそれは。
「水インベントリは、水限定で無制限に保管できる能力です。
水鑑定は、水限定で鑑定を行う能力です。
これ以上となると何ともどうしようもなくてですね……」
聞いてもよくわからないが、これ以上は望めないようだ。
「分かりました。あと言語や転生場所の問題ですが、どうでしょうか?」
「言語は日常会話や読み書き程度なら問題ありません。
転移先の地域で広く使われている言語を使えるようになります。
転生場所は、街の近くに移って頂きます。
森の中ですが街道沿いですので、
それほど危険なモンスターは出会わないはずです」
「分かりました」
「それでは、早速異世界に行っていただきましょう。
向こうについたら、ステータスチェックをお忘れなく。
それではよい人生を」
その言葉と共に意識が暗転した。
どうだったでしょうか。
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